MUFG
トロフィーを受け取るゼノデータ・ラボの関社長(左から2人目、写真=FinTech online編集部)

三菱UFJフィナンシャル・グループがFinTechスタートアップの持つ事業プランのブラッシュアップなど、事業化に向けた支援を行うMUFG Fintech アクセラレータ(FINTECH ACCELERATOR)プログラム。取り組みの成果を発表する場であるデモデーが8月5日、東京・丸の内の丸ビルホールで開かれ、スタートアップ5社のうち、グランプリにxenodata lab.(ゼノデータ・ラボ)、準グランプリにAlpaca DB(アルパカ)が選ばれた。

グランプリのゼノデータ・ラボは、自然言語処理を核としたAIを活用して企業レポートを自動作成するシステムを発表。今年設立されたばかりという同社が事業奨励金200万円を獲得した。準グランプリのアルパカはAIを活用したトレード自動化サービスや、テクニカル指標とバックテストを活用した市場スキャンサービスなどを紹介。同じく100万円を獲得した。

パートナー賞として、AWS(Amazon web services)賞にスマートアイデアが、PR TIMES賞に全5社が選ばれた。また同日は、ゼノデータ・ラボとカブドットコム証券、アルパカとじぶん銀行の協業も発表された。

スマートアイデアは「フィンテイメント」を提唱

プレゼンを行った5社は、zerobillbank(ゼロビルバンク)、xenodata lab.(ゼノデータ・ラボ)、スマートアイデア、ナレッジコミュニケーション、Alpaca DB(アルパカ)。アクセラレータプログラムで選定され、MUFGの支援を受けながら半年以上にわたって事業化に向けてアプリやサービスの作りこみをしてきた。

5社にはアドバイザー・メンターとして、日本のFinTech界を代表する人材がつき、半年以上にわたってつきっきりで指導にあたったという。そこには今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズCOO)や増島雅和弁護士(森・濱田松本法律事務所パートナー)ら約30人が名を連ねている。

ゼロビルバンクはブロックチェーン上で顧客の行動をコイン化するプラットフォームを発表。また「2秒家計簿おカネレコ」を運営しているスマートアイデアは、20-30代の女性が楽しみながらお金の課題を解決できるアプリを2つ発表した。その際、お金の課題を楽しみながら解決できる考え方として「Finteinment(フィンテイメント)」を提唱した。ナレッジコミュニケーションはデータ分析支援ツール「ナレコムAI」を発表。これはデータ分析専門家の業務負荷を軽減できるサービスという。

審査員はTXアントレプレナーパートナーズ最高顧問の村井勝氏、森・濱田松本法律事務所パートナーの堀天子氏、三菱UFJフィナンシャル・グループ常務執行役員の亀澤宏規氏、三菱UFJリサーチ&コンサルティング取締役専務執行役員の鷲見英二氏、三菱UFJキャピタル社長の半田宗樹氏の5人が務めた。

各社のデモの後、ゲストスタートアッププレゼンテーションとして、ウェルスナビの柴山和久CEOとFinatextの林良太CEOがそれぞれ講演したほか、当日発表・紹介されたアプリやサービスを実際使うことができるタッチ&トライの時間も設けられた。(FinTech online編集部)

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