香港を拠点とするビットコイン取引所、Bitfinexがハッキングの被害にあい、約12万BTC(6500万ドル相当/約65億円)の仮想通貨が流出した事件にともない、ビットコインの価格が急落。

「最先端のテクノロジーを誇る世界最大規模の取引所」を狙った大型被害だけに、仮想通貨市場に走った衝撃は強い。

Bitfinexからは昨年も1500BTCが盗難にあっているが、今回の被害額はあまりに巨額であるため、その波紋が長期化する可能性が懸念されている。

仮想通貨市場にとどまらず、セキュリティー市場にも波紋

ビットコイン価格は事件発覚直前の米国8月2日午後5時には602.95ドル(約6万1036円)だったが、18時にBitfineがWebサイト上で正式コメントを発表した直後、夜10時には518.02ドル(約5万2439円)まで一気に落ちこんだ。

4日午前4時現在は576.31ドル(約5万8339円)まで回復しているが、衝撃的な事件の影響による縦揺れが懸念されている。

8月2日、セキュリティー異常に気付いたBitfineは、ビットコインやトークンを含むすべての取引を停止した。この時点ですでに複数のユーザーから、ビットコインの盗難被害届がだされていたという。

被害にあった口座の特定と原因解明を理由に、Bitfinexは現在も取引停止中。常時最新の情報を更新するとのことだが、3日23時以降の「取引再開に向け、全力をあげて問題に取り組んでいる」というコメントから、新たな展開には至っていない。原因の究明と会計処理の目途が立ち次第、取引が再開される予定だ。

現在、被害報告はビットコインのみにとどまっているが、ほかの取り扱い商品であるビットコイン融資(ビットコインを担保に融資を受けられるサービス)などにも被害がおよんでいる可能性が考えられる。

世界各地に数あるビットコイン取引所の中でも、最も信頼を得ていたBitfinexが大損害をだした波紋は、仮想通貨市場だけではなく、セキュリティー市場にも広がりを見せている。