徹底的な原因解明と再発防止策が必須

今回の盗難事件がメディアはもちろん、ユーザーをパニックに巻きこんでいることはいうまでもない。

関連フォーラムでは様々な苦情や憶測が飛び交い、怒りや不安の矛先はBitfinexからほかのビットコイン企業にまで広がりを見せている。

一部のユーザーは、Bitfinexにセキュリティーサービスを提供しているBitGoを非難。それに対してBitGoが反論し、自社は被害に巻きこまれておらず、責任の一端とされる覚えはないとの姿勢を示している。

同様にBitGoのセキュリティーを利用しているBitstampも、「システム自体がBitfineのものとは異なるため、被害の心配はない」と、Twitter上でユーザーに呼びかけた。

今回のハッキングによる間接的かつ長期的な影響も心配だ。「時間をかけて改善傾向にあったビットコインの後ろ暗いイメージに、再びネガティブな影響をおよぼすかも知れない」と懸念する声も多々ある。

仮想通貨取引所を狙った犯罪はあとを絶たない。昨年1月、1万9000BTC(510万ドル相当/約5億1561万円)の被害にあったBitstampの事件では、数週間にわたり犯罪組織がBitstampの従業員6人に、Skypeやeメールを通してマルウェアの潜んだファイルを続々と送りつけるという、実に悪質な手段が用いられていた。

Gatecoinからは今年5月に18万5000イーサコインと240ビットコイン(総額214万ドル相当/約2億1635万円)が消えうせ、4月にShapeShiftのホットウォレットから23万ドル相当(約2326万円)の通貨が流出した事件などは、内部(元従業員)の犯行であったことが判明している。

相次ぐ仮想通貨犯罪にともなう信用低下を少しでも食いとめるには、徹底的な原因解明と再発防止に働きかけるしか手段はないのだろう。( FinTech online編集部

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