円高の影響を反映して、値下げの方向に価格改定する海外ブランドが出てきている。円安を背景に値上げする高級ブランドが話題にのぼることは多いが、円高市況を理由に値下げに踏み切るのは珍しい。2016年に値下げの動きがある海外ブランドをみてみよう。

カルティエ 全体で約10%の値下げへ

昨今の為替変動を理由に、カルティエでは8月5日より、時計や革製品、宝飾品などほとんどの商品を値下げすると発表。商品により率は異なるが、平均すると全体で約10%の値下げとなる。修理価格も同時に引き下げるとあって、ブランド全体で値下げの実施に踏み切っている。

カルティエは、1847年、フランス・パリから始まった名門ブランド。「王の宝石商」と呼ばれた歴史を持ち、宝飾のセンスを取り入れた独創的なフォルムの腕時計が、男女問わず人気を集めている。ブランドのなかで日本人に売れ筋なのは、バッグや財布、カードホルダーなどのレザーグッズ。カーフスキンやクロコダイルスキンなど、レザーの質にもこだわりがある。

IWC 人気モデルを6%程度値下げへ

IWCはカルティエと同じく、スイスを本拠地にするリシュモングループ傘下にあるブランド。スイス・シャフハウゼンで1868年に創業、腕時計の名門である。値下げは8月中旬以降に実施される予定。商品によって異なるが、人気モデルである「ポルトギーゼクロノグラフ」では6%程度の値下げになるようだ。

IWCは、100種以上あるという美しい文字盤と優れた実用性にこだわりを持つブランド。ブランドのアイコンウォッチである「ポルトギーゼ」は、複雑機構を搭載した、技術的にも美しさにおいても時計愛好家の評価が高い銘品。航空時計として採用されたていた「パイロット・ウォッチ」コレクションに、2016年の新作が加わる。