日本株投資戦略,相場波乱,投資チャンス,好業績銘柄
(写真=PIXTA)

7月の東京株式市場は、日経平均株価が月間で6.4%上昇するなど、総じて堅調でした。Brexit(英国のEU離脱問題)に対する過度の懸念が後退し、6月に下げた分(9.6%)を一部取り戻す形になりました。しかし8月相場は波乱のスタートとなっています。

日経平均株価は8/2(火)に244円安、8/3(水)に308円安となりました。7/29(金)の日銀金融政策決定会合で債券買い入れ額増加や追加利下げが盛り込まれなかったことで、金利底打ち感が台頭し、円高圧力が強まったことが要因です。8/4(木)はさすがに反発しましたが、8/5(金)は小反落となり、前3営業日に下げた分を取り戻すには至っていません。

こうした中、東京株式市場では2016/4~6月期決算発表が進捗しています。日経報道では、上場企業の経常利益(7/29までに決算発表終了の企業)は前年同期比24%の経常減益になっているようで、企業業績は非常に厳しいと言えます。しかし、中には好決算を発表し、今後の株式市場で上昇を期待できる銘柄もあるようです。

そこで今回の「日本株投資戦略」では、8/2(火)までに決算発表が終わった銘柄の中から「好決算銘柄」をチョイスし、ご紹介することとしました。これらの銘柄は波乱相場が逆に買い場提供となる可能性もありそうです。

相場波乱なら一層の投資チャンス!?第1四半期好業績銘柄はコレ!?

表1は第1四半期の「好業績銘柄」の一例をご紹介したものです。ここで抽出した「好業績銘柄」は「第1四半期に本業のもうけを示す営業利益が市場コンセンサスを上回っていることに加え、来期は10%以上の営業増益が見込める銘柄」という考え方をベースにしています。

第1四半期(2016/4~6月期)は、ドル・円相場の期中平均が1ドル108円と前年同期比11%の円高・ドル安に、同様にユーロ・円が同9.2%の円高・ユーロ安になったのが特徴です。このため、輸出の多い企業、ドルやユーロ等外貨の受け取り(純額)が多い企業ほど、利益は圧迫を受けた形になっています。したがって、第1四半期の利益について、アナリストも円高による影響を織り込んでいるとみられますし、それによる業績悪はある程度株価に織り込み済みであると考えられます。

このため、第1四半期の営業利益をスクリーニング条件とするに当たっては、アナリストコンセンサスを基準に考えることが妥当であると考えられます。来期(2018/3期)については、為替変動を中立として予想するのが普通であるため、ノーマルに2ケタ(10%)以上の営業増益が予想されていることを条件としました。

第1四半期の営業利益が市場コンセンサスを多く上回っていればいるほど、好業績が期待できると考えています。ここで、第1四半期の営業利益(実績)について、コンセンサスを超過した金額が通期予想営業利益(市場コンセンサス)の何%に相当するのか比率を計算し、その比率が高いほど好業績が期待できる銘柄と考えました。

条件に今期予想営業利益で、「コンセンサスが会社予想を上回っていること」を付けましたので、前述の比率が高い銘柄ほど通期の業績予想について会社側からの上方修正が期待できる銘柄と考えました。

無論、表1であげた銘柄は好業績銘柄の「一例」に過ぎません。業績予想についてアナリスト予想や会社予想が存在していない銘柄も少なくなく、それらが分析の対象外になっているためです。ただ、会社予想もアナリスト予想もない企業の業績予想はその分情報量が少なくなり、分析は難しいのが現実です。

表1 相場波乱で投資チャンスも!?第1四半期好業績銘柄はコレ!?

表1 相場波乱で投資チャンスも!?第1四半期好業績銘柄はコレ!?2