日本を代表する経営者は、なぜ30年以上も筋トレを続けているのか?
ビジネスマンにとって健康管理は、常に仕事で高いパフォーマンスを維持し続けるために絶対に欠かせない要素の一つだ。GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏は、ビジネスマンの中でも、とりわけ高い意識を持って健康管理に取り組んでいる。熊谷氏に、健康に関する考え方と取り組みについてお話をうかがった。
目標が明確な人は健康への意識も強くなる
「健康になんかなりたくない」という人は、おそらく世の中にいないはずだ。誰もが健康でありたいと思っているだろう。しかし、多くの人は、「これではいけない」とわかっていながらも、不摂生な生活を送ってしまいがちだ。健康管理がしっかりとできる人と、そうでない人の差は、どこにあるのだろうか? 熊谷氏は「人生の目標を明確に意識しているかどうかが大きい」と語る。
「私は35歳のときに、90歳までに自分が到達したい究極の目標と、年齢ごとに達成していきたい年次目標を記した『55年計画』というものを作成しました。今はこの計画を進行中です。つまり、私には一生涯にわたって追い求めたい夢や目標があるのです。
この『55年計画』を達成するうえで、一番の障害になるのが健康です。90歳まで健康でいなければ、目標達成が不可能になりますからね。これが、私が自分の健康を管理していくうえでの強いモチベーションになっています。
『50歳のときにはこんなことをしていたい。60歳になったときには、これを実現していたい。そのためには……』というふうに考えると、誰だって自分の健康を強く意識するようになるのではないでしょうか」
熊谷氏は、20歳のときに始めたウエイトトレーニングを、今に至るまで30年以上にわたって続けている。こんなにも長期間継続できているのは、熊谷氏が強い意志の持ち主であると同時に、「自分の健康を維持しなくてはいけない理由」が、自身の中に明確にあることが大きい。
「ウエイトトレーニングは、全身の筋力を鍛えることを目的に、週2回のペースで、1回あたり1時間程度行なっています。ベンチプレスは110kgを持ち上げられるようになりましたし、相当筋力はあるほうだと思います。
また、ウエイトトレーニングをしない日は、ランニングマシーンを7度の角度に設定して、30分ほどで4.5kmを速歩きするウォーキングをしています。
ウォーキングの大切さを意識し始めたのは30代に入ってからです。会社を上場させた頃から、外回りが減って、社内で仕事をする時間が増えたんです。意識的に歩く時間を作らないと必要な運動量を確保できなくなると考えて、ウォーキングを始めることにしました。
私は毎日運動していますが、だからといって、筋肉オタクとか運動オタクというわけではありません。私が運動をするのは、あくまでも健康維持のためです。そして、健康維持を大切にしているのは、人生の目標を達成するためです。ですから、身体に必要以上に負荷をかける運動は避けるようにしています。やりすぎは、かえって健康を損なう要因になりますから。何事もバランスが大事です」