全体的な投資総額が大幅に減少した第2四半期のFinTechだが、決済分野への投資は今年の上半期、59%の伸びを見せたことが明らかになった。

相変わらず米国での活動が活発だが、アジア圏ではインドやシンガポールへの投資が目立っているほか、中国では大手テクノロジー企業による決済市場への進出が相次いでいる。

英は新星の発掘で苦戦 独と印が追い上げ

米市場データ会社CBインサイトが今年上半期のFinTech動向をまとめた「FinTechの未来」レポによると、決済部門への投資は昨年第3四半期をピークに減少。12億3800万ドル(約246億682万円)から、第4四半期には2億5400万ドル(約262億6106万円)まで一気に落ちこんだ。

しかし今年にはいってから第1四半期は3億5200万ドル(約364億1088万円)、第2四半期は5億6100万ドル(約580億2984万円)と、順調な回復傾向にある。

投資総額では2014年第1四半期と並ぶレベルだが、投資件数は75件と21件も増えていることから、大型投資が減り小口投資に集中していることがわかる。

地域別な分析結果では、米国への投資が66件で圧倒的に優勢。次点の英国はその4分の1にも満たない15件だ。

EU離脱の影響で失速の目立つ英国では、トランスファーワイズやAzimoといったスタートアップが勢力を拡大しているものの、将来有望な新星の発掘では苦戦している気配が強い。

アジア圏で最も奮闘しているのはインドで、ドイツと肩を並べる7件。シンガポールが4件となっている。

ドイツはモバイル銀行、Number26やモバイル・クレジットカード決済のPaylevenなどがリード。

お財布携帯で人気に火がついたインドのMobiKwikや、モバイル決済のJuspayも、資金調達ラウンドで大型投資を獲得した。