「IOT M2M決済」の開発に熱心なVisaは
欧州では昨年設立されたVisaの国際改革ハブ「Visaヨーロッパ・コラボ」が、カナダ初の上場ブロックチェーン企業であるBLTと共同で、ブロックチェーン国内外決済システムの可能性を検証する。実験期間は約3カ月で、最終目的は銀行間決済の効率化と、知識・経験の蓄積だ。
実証実験にはイーサリアムベースの銀行間決済プラットフォーム「インタービット(Interbit)」が利用される予定だ。スマートコントラクト専用言語で構成されたインタービットを用いることで、銀行間の取引で生じる摩擦やリスクを軽減すると同時に、決済速度の短縮化やコンプライアンス要件処理の自動化が期待できる。
BLTの発表によると、現在数社の欧州銀行がプロジェクトに参加する意思を示しており、まずは複数通貨を利用した送金および為替取引で実験が開始されるという。継続してさらなる参加メンバーを募集しており、今後共同実験の規模を拡大していく意向だ。
VisaがモノのインターネットとM2M(機械同士の通信)を融合させた「IOT M2M決済」の開発に、ただならぬ関心を注いでいることは、以前から数々のメディアに報じられている。
今年5月にも、Satoshiコインを利用したマイクロ決済の実証実験を行ったほか、昨年にはシリコンバレーのクリプト・ファイナンス・スタートアップ、Epiphyteとも、ビットコイン送金システムの開発を手掛けるなど、着実に決済産業の歴史を塗り替えようとしている。(
FinTech online編集部
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