バイオメトリック(生体認証技術)が追い風となり、米国のモバイルバンキング利用率が飛躍的に伸びていることが、最新の動向調査から判明した。

回答者3000人の成人のうち、過去30日のモバイルバンキング利用者は40%。そのうち51%が「1年前よりも頻繁に利用するようになった」と回答。ミレニアル世代(18歳から35歳)の利用者は87%に達している。

2割がモバイルバンキングの利用法を理解していない

米金融サービス会社Fiservが8月に発表したレポートによると、51%が「将来的にモバイル決済でバンキングが快適になるだろう」と回答しており、44%は「すでに快適になった」と実感している。

この傾向は特にミレニアル世代に強く見られ、71%がモバイルバンキングの未来に期待している。

2015年のサーベイ結果と比較すると、モバイルバンキングの利用率は60ポイント、モバイル決済は56ポイント、モバイルウォレットは57ポイントも上昇。

今年7月だけでも、オンラインショッピングのモバイル決済(47%)、銀行口座間の送金(45%)など、日常的に利用されている。

こうした急激な需要の高まりには、各金融機関が導入し始めた生体認証技術が、著しく貢献しているようだ。

62%が「生体認証技術から安心感を得れる」としているのに対し、「パスワードも同じくらい安全」と感じているのは41%。

しかしその反面、モバイルバンキングを利用していない回答者の64%がセキュリティー、35%が個人情報の流出への懸念を抱いているのも事実であり、安全性に対する信頼感の欠落が、モバイルバンキングのさらなる発展を妨げていることがわかる。

また「モバイルバンキングの利用の仕方自体がわからない」という回答者は20%。口座間の送金法(24%)、決済(14%)などを理解していない消費者もいる。

セキュリティーの強化、効率性の改善といった課題のほかに、幅広い層にわたる消費者への働きかけも、今後の重要な焦点となりそうだ。( FinTech online編集部

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