香港金融管理局(HKMA)は9月6日、ブロックチェーンを利用した実証実験を含むFinTech開発促進に向け、香港応用科技研所(ASTRI)との共同革命ハブ「HKMA ASTRI Fintech
Innovation Hub」を開設したことを発表した。
銀行からスタートアップまで様々な金融関連機関・企業と提携し、香港のFinTech市場を活性化させる狙いだ。
一歩出遅れた香港FinTech 巻き返しなるか?
新たなハブの開設については、HKMAが香港で開催した「トレジュアリー・マーケット・サミット2016」で、チーフ・エクゼクティブのノーマン・チャン氏のスピーチから明らかになった。
欧米を追いあげる勢いで急成長中のアジアFinTechだが、シンガポールや中国本土を含むアジア圏の中で、香港のFinTech開発は二の足を踏んでいるといった印象がぬぐえない。
2015年には香港政府によるFinTech運営組織、今年3月にはHKMAによるFinTech促進組織、
FFOが立ちあげられたが、市場自体は具体的な発展にいたっていない様子だ。
FinTechに対する取り組みに非常に慎重で、ある程度の時期までは他国の様子見をしていた感が強かったHKMAの姿勢が、香港FinTechの発展速度に影響したとも考えられる。
しかし他国との差が顕著に目立ち始めた今、焦点を絞ったハブを設けることで、研究と開発に幅を持たせ、停滞ムードを一気に盛り上げようという試みだ。
ブロックチェーン技術による効率的な決済フレームワークの構成などを探索すると同時に、開発者による早期実証実験の場も提供していく。
HKMAは香港を世界最強のFinTechハブに成長させるだけではなく、「高質なFinTechサービスの発信地」としても、世界屈指の水準に到達させることを目指している。スピード、質、内容ともに、「世界一のFinTechブランド」を誕生させようという意気込みだ。
具体的な提携先やプロジェクトに関しては公表されていないが、詳細が決まり次第、ウェブサイト上で逐一更新される予定である。
香港最大の強みである国際性を活かして、どこまで盛りあがりを演出できるのか、お手並み拝見といったところだろうか。( FinTech online編集部 )
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