オランダのING銀行が、WhatsApp、Facebook、Twitterといったソーシャルメディア(SNS)で利用可能な、簡単決済アプリをテスト運転中だ。

ワンクリック・リンクから簡単に請求および支払いができ、オランダで急成長中の決済スタートアップ、「iDeal」のシステムによって取引が完了する。

INGは「SNSが決済チャンネルとして生まれ変わる」と、新たなモバイルアプリで決済革命を起こす意気込みを見せている。

欧州決済サービス指令改正で、劇的な変化が予想される決済市場

SNSが単なるコミュニケーション・ツールから、広告、販売他分野にわたるビジネスチャンネルに変貌をとげた今、決済機能との融合に関心が集まっている。

INGは消費者が日常的に利用しているSNSやメールを通し、ワンクリック・リンクで「iDeal」の支払い画面に誘導、即座に決済が完了するという便利アプリを、8月から10月にかけて、18歳から35歳のアーリー・アダプター(初期採用者)を対象にテスト中である。

昨年は2億2200万件の取引を処理したという「iDeal」の人気も、利用を押しあげる期待要素となりそうだ。

INGを含む大手銀行の新たな動きは、欧州決済サービス指令の改正(PSD2)に基づくものが大きいと思われる。

口座アクセスAPIの公開が義務づけられたため、サードパーティーの介入が導入されるなど、今後決済市場自体が劇的に変化すると予想されている。

その結果、各金融機関は根底からシステムを改革する必要に迫られ、それぞれが独自の手法で新たな規制条件を満たそうと骨を折っている。

INGは今回のSNS決済に先駆け、顧客が送金や複数の銀行口座管理を一括で行える、「欧州ウェブサイト」のサービス開始計画を6月に発表。

そのほかビジネス顧客向けのバンキングサービスも開始するなど、精力的に改革に取り組んでいるようだ。

これらのサービスは「世界中どこからでも利用できる」という利便性をコンセプトに開発され、国際レベルで決済水準を引きあげようとしているINGの姿勢を表している。( FinTech online編集部

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