melit
(写真=PIXTA)

投資信託の魅力は、銘柄を研究して株式を買い付けるような専門知識がなくとも、プロのファンドマネージャーが資産を運用してくれる点でしょう。

投資信託を買う人が増えるに従って、そのメリットをどう感じるかにも年代や経験、投資額の規模などによって差が出ているようです。投資のメインプレイヤーであるシニア世代は余剰資金で投資していますが、現役世代は将来に対する資産形成の手段として投資信託を積極的に運用したいのではないでしょうか。

投資信託のメリットは「本数」「手軽さ」「利便性」

2016年9月発表の投資信託協会のデータによると、公募投資信託の数は5,960本です。これだけ多くの種類から選べるとなると、選択肢の幅が広がります。投資家一人ひとりに合った商品を組み合わせやすくなったといえるでしょう。

まとまった資金が手元になくても、1万円やそれ以下の少額で手軽に始められる投資信託も多くなり、初心者にとって運用しやすい環境が整いつつあります。投資信託の取り扱いは証券会社だけでなく、銀行や郵便局にも広がっています。すでに口座のある銀行や郵便局で購入することもでき、口座管理に煩わされないというメリットもあります。

ただメリットは大きくても、投資信託を買えば誰でも簡単にお金を増やせるわけではありません。中長期的な資産形成の運用計画を立てて、長い目で資産を増やしたい人には適していますが、とにかく儲けを出したい、短期間に最大限の利幅を得たい、という人には投資信託から得られるメリットはほとんどないでしょう。

シニア世代には投資信託の「分配金」が魅力

投資信託の分配金は、運用状況に応じて金額が増減しますので、うまく運用できている間は分配金が順調に手に入ります。しかし、予め設定されている預金の利息とは異なり、分配金は決算状況に左右され、分配金の減額やときには停止といったリスクが発生することを念頭に置かなければなりません。さらに投資信託の分配金は積み上げられた収益から支払われるので、その分、投資信託の基準価額が低くなる点も留意したいところです。

毎月分配金を受け取れるタイプの投資信託はシニア世代に人気です。年金の受け取りが隔月であることから、毎月受け取りのある分配金に魅力を感じる方が多いようです。また、高齢になると自分の将来を考えたときに、長期的に保有して資産を形成するよりも、まとまった資金をもとに短いスパンで利益を上げたいと考える傾向が強くなるようです。