オルタナ融資(スタートアップによる非銀行系ローン)の需要が急激に伸びているインドでは、スタートアップ数も急増中。2016年現在中国、米国に次ぐ世界3位の融資スタートアップ市場へと成長を遂げた。

融資とひとことにいっても事業内容が非常にバラエティーに富んでおり、消費者の借り入れ目的に見合った商品が満載だ。これらの商品はインドで多い「銀行口座も信用情報もない若い層」をターゲットに絞り、2年足らずで約100社の融資スタートアップが生まれている。

大手銀行やアリババと提携しているスタートアップも

返済を考慮すれば、低金利融資商品を提供している銀行から融資を受けるにこしたことはない。しかし近年消費者による債務不履行が相次いだインドでは、銀行の融資基準が年々厳しくなっている。

中国同様、改善傾向にあるとはいえ、銀行口座の所有率やアクセス率も先進国とは比較にならない。そのためクレジットカード利用歴などに基づいた信用情報を確立している消費者も、極端に少ないという現状だ。

オルタナ融資の登場はインドの消費者にとってまさに救世主であり、スタートアップが一気に表舞台に踊りでたのも不思議ではない。インドのテクノロジー・データ会社、Tracxnの調査によると、2015年だけでも64社、今年にはいってからは34社の融資スタートアップがインドで生まれている。

これらのスタートアップは非銀行(NBFC)系金融会社と提携するか、あるいは独自のNBFC業務許可書を取得し事業を展開しており、個人融資からネットショッピング融資まで広範囲にわたりユニークな商品を提供している。

注目株は非銀行系個人融資の代表的存在となったCashCare、インド初の融資アプリで知られるCashe、バンガロールを拠点に学生専用デジタル融資を提供している SlicePayなどだろう。

現在NBFC許可を申請中のモバイルウォレット融資、Mobikwik、クレジットカードなしでネットショッピングが楽しめるZestMoney。ビジネス融資ではPaytmやFreechargeが頭角を現しているが、中アリババと提携しているCapital floatは、ほかのB2Bとの取引も検討中だという。

インドステイト銀行やアクシス銀行と提携しているGyandhanは、大手の信用という手堅さで勝負。EarlySalaryは欧米で人気のペイデーローン(給料を担保とする短期小口融資)をインドに持ちこんだ。ここで紹介したスタートアップは氷山の一角にすぎない。よりいっそう勢いと才覚にあふれる新顔が、今後もインドの融資市場を盛りあげてくれることだろう。(ZUU online 編集部)

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