米大統領選挙にともない、相場状況の不透明性を理由に様子見に走る投資家が多い中、運用資産100万ドル(約1億881万円)以上の富裕層投資家は強気に買い続けていたことが、米オンライン証券取引会社、イー・トレード・ファイナンシャルのサーベイから判明した。

この層の投資家の45%が「トランプ氏が勝利してもポートフォリオを見直す気はない」と回答しており、選挙結果に左右されない堅硬な米経済の成長を確信しているものと思われる。

「トランプ氏が勝利したら現金比率を増やす」と回答したのはわずか2割

この調査は今年10月、運用資産額1万(約109万円)ドル以上の投資家954人(うち213人は運用資産額100万ドル以上)を対象に、米大統領選前に実施されたものだ。

ヴァイス・プレジデント、マイク・レーヴェンガルト氏は「投資家はトランプ氏が勝利する可能性に不安を感じている」としており、株式相場への好影響という点でも、投資家によるクリントン氏への支持率は55%とトランプ氏を10ポイント上回っていた。

しかし実際のサーベイ結果では「トランプ氏が勝利したら現金比率を増やす」と回答したのはわずか20%。クリントン勝利でも15%が同様の回答をしていることから、この層への勝者による影響が低いのがわかる。

この層の71%はエクイティーに投資しており、「家族や友人にもエクイティーを勧める」と回答。次いで個別株(59%)、ETF(55%)、現金あるいは信託預金など(48%)が人気だ。ETFの中でも米マーケット・インデックスETF(58%)、高配当ETF(50%)、セクターETF(41%)に積極的に投資している。

銘柄の分野ではテクノロジーと医療に人気が分断。ともに50%以上の支持を得ている。対照的に、100万ドル以下の層の投資家の関心は、より多様な分野に分散されている。

レーヴェンガルト氏は大口投資家がより高利回りの投資に目を向け始めたと分析しており、世間ではトランプ次期大統領誕生による市場混乱も、徐々に落ちつくとの見方が強まり始めている。

トランプ氏の大胆な政策は米国債を押しさげる可能性が懸念されている反面、株価を引きあげる追い風になるとの期待も高まっている。(ZUU online 編集部)

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