夏の関連銘柄
また、この夏に注目したいのが「デオエスト(DEOEST)」の新製品を発表したセーレン〈 3569 〉です。同社は明治22年に創業、福井県に本社と生産拠点をおく繊維の老舗で染色システム「ビスコテックス」で従来のファッション関連から自動車内装などに事業拡大してきました。会社を一言で紹介すると自動車用シート大手ということになるでしょう。この「デオエスト」シリーズは、高性能消臭アンダーウェアブランドと呼ばれるもので2008年から展開しています。ナノレベルの特殊セラミックスでニオイを吸着、金属イオンでニオイを分解するという高性能の消臭素材を使用していることが特徴です。なんと30秒のスピード消臭、100回洗っても消臭が継続、様々なニオイに効果をもたらし、強力な抗菌効果を有するなど汗対策が必須となる夏に向けて昨今、人気を博してきました。このシリーズにおいて2014年、爽やかでムレにくい涼感素材を使用した「消臭ニットトランクス」、レギュラータイプと浅履きタイプの2種類で様々なパンプスにマッチする「消臭フットカバー」が新発売、「汗臭」「加齢臭」「足のにおい」などの対策において更なる注目を浴びそうです。
夏の隠れた関連銘柄
夏と言えば、これまで述べてきた銘柄が主に思い浮かびますが、意外な銘柄も上昇することがあります。エルニーニョ現象だと冷夏だけではなく、梅雨明けが遅れると言われています。もしエルニーニョ現象とはならず夏が猛暑となっても、それぞれに共通する行動心理があります。それは外出頻度です。雨でも猛暑でも、ともに出来うる限り買い物などでの外出を避けたくなるのが心情でしょう。
そこで注目される銘柄が日本最大級の宅配ポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会〈 2484 〉です。レンタル大手ツタヤを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ、日本フードデリバリーとそれぞれ資本業務提携、日本最大級の位置情報サービスである「Yahoo!ロコ」、「Wii U」におけるネットワークサービスなど、いくつものチャネルとの連携も含め拡大を続けています。2014年2月時点で会員数はおよそ590万人、11,644店舗以上の加盟店を誇り、ピザ、中華、寿司、弁当などはもとより、ネットスーパーや酒など様々なジャンルを網羅しています。また、深夜デリバリーサービスやシニア向けサービスへの参入、NTTドコモのスマートフォン利用者を対象としたデリバリー取り次ぎサービス「dデリバリー」も同年5月から開始され着々と成長しています。
風が吹けば桶屋が儲かる
一つの現象からは全く関係のないところに影響が出ると言われる有名なことわざです。風が吹けば土ぼこりが立ち盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てるため三味線に使う猫皮が必要となり猫が減る。そのためネズミが増え桶をかじり、桶の需要が増える。江戸の時代に生きた人の智慧とも洒落とも思える内容ですが、現代ではもっと現実的な理論とともにバタフライ効果とも称され、様々な議論が行われています。サマーストックと一言に言っても視点を増やせば、その数は無限に広がります。
本稿ではその中でも比較的想像しやすい銘柄を紹介してきました。何れにしろ、これらの銘柄を有効に活用するためには今後の気象予報やそれに関連する情報がとても大切になってきます。今年はエルニーニョ現象に代表されるように様々な気象の変化が指摘されており、それだけ投資のチャンスがある夏にもなりそうです。
【参考記事】
ワールドカップ注目銘柄!ドイツ優勝で恩恵を受ける投資先とは!?
無敵に見える米国株の調整リスクから日本株の動向を考える
カリスマ投資家と同じポートフォリオを組める『グルファンド』とは!?
photo credit:
visualpanic
via
photopin
cc