2016年の紅白歌合戦の出場者が11月24日、NHKより発表された。残念ながらそこにSMAPの名前はなかった。ただ、まだサプライズ出演の可能性があると期待している人達は多い。なんといっても国民的アイドルSMAPの最後だからだ。

ジャニーズ事務所は上場していないので、SMAP関連銘柄として代表的な所属レーベル会社JVCケンウッド の株価の動きを追ってみよう。

SMAP解散発表直後にレコード売上爆発

2016年8月14日、SMAPが年内をもって解散することをジャニーズ事務所が発表した。報道によると、冠番組を制作するテレビ局、CMのスポンサー、所属レコード会社にも事前の連絡はなかったようで、ファンだけでなく、業界にも動揺が走った。

業界の動揺をよそにファンの「CD爆買い」が始まった。解散発表の翌日に発表された8月14日付オリコンデイリーランキングで、SMAPのシングル7作、アルバム4作が、TOP100にランクインしたのだ。

13日付では、シングルのランクインが2作でアルバムはなかったので、ファンがSMAPへの思いを込めて“爆買い”に動いたのは明らかだ。

その後もSMAPのCDの売上はシングル・アルバムともに順調で、10月の月間ランキングでは、『世界に一つだけの花』(シングル・ヴァージョン)は依然として17位にランキングされており月間で3万6742枚を売り上げている。

JVCケンウッドの収益をささえるエンタテイメント事業

SMAPのレーベルは、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントが独占的に扱っている。JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントはJVCビクターが100%株式を保有する連結決算対象の子会社だ。

10月31日にJVCケンウッドが発表した2017年3月期中間決算(4−9月)は、売上1364億円(前年同期比2%減)、本業の利益を示す営業利益は9億円の赤字だった。円高の影響が厳しく、パブリックサービス分野(無線システムなど)およびメディアサービス分野が減収となったことが影響している。

ただ、主力のカーナビ、カーオーディオ等のオートモーティブ部門は増収益になっていることから、通期では、売上2950億円(1%増)、営業利益は48億円の黒字(14%増)を見込んでいる。

ビクターエンタテインメントのSMAPのCD売上は、同社のメディアサービス部門に含まれる。メディアサービス部門は、CD、DVDなどのエンタテインメント事業とビデオカメラ等のメディア事業に分かれている。SMAP売上はエンタテイメント事業の中でさらに細目でいうとコンテンツ売上として計上されている。

ビデオカメラの売上が熊本地震の影響で減少したこともあって、メディアサービス部門全体の売上は、今上期前年同期比3%減の341億円となっており、営業利益は4億円の赤字となっている。

ただ、エンタテイメント事業のなかのコンテンツ販売は好調に推移している。エンタテイメント事業が単独部門として増収増益になっていることのドライバーがSMAP売上増であることは間違いなさそうだ。


JVCケンウッドの株価は年初来高値ゾーンへ

JVCケンウッドの株価は6月28日の201円の年初来安値を底に上昇している。

SMAPの解散が報道され、SMAPのCD売上増が伝えられた8月15日の株価は242円と前日比4.3%高となった。その後も株価は右上がりで、12月6日には344円と今年1月5日の346円の年初来高値に迫っている。6月28日からの上昇率は70%に達し、解散報道からの上昇率も40%を超えている。

もちろん、株価の上げはSMAP特需だけではない。同社は12月19日にマザーズに上場する自動運転で期待されるZMPへ出資を行っている。所有株は200万株で第6位の大株主だ。株主としてだけでなく、ZMP社との合併会社である「株式会社カートモ」を設立、自動運転技術の開発をZMP社と共に進めている。

また、将来的に成長を望むことができるテレマティクス分野における事業開発についてもZMPと共同で行っていることから、JVCケンウッドはZMP関連銘柄として注目されているのだ。

もし、サプライズでSMAPが紅白で有終の美を飾るなら、さらにSMAPのCDの特需が発生することは間違いないだろう。年末までJVCケンウッドの株価から目が離せない。(ZUU online 編集部)

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