競合ひしめくスマートフォン向けアプリ市場でのイグニスの優位性とは?
スマートフォン向けアプリを開発・運営する同社ですが、事業以外にも開発方法に優位性を持っています。それは徹底したユーザーベースです。App StoreでアプリをDLする際、ユーザーがまず目にするのがアプリ名とアイコン、そしてスクリーンショットと説明文です。そのためイグニスでは、企画を浮かんだら、これら4つの素材をアプリより先に作り、擬似的ににはめ込んでみるそうです。ユーザー目線に立って「直感的に面白いかどうか」を判断するためです。
このようなアプリ製作会社はしばしばアプリ自体の面白さに固執しすぎてしまいます。アプリ定着率を考えれば内容が面白いにこしたことはないのですが、アプリのダウンロードのステップを考えてみると、①アプリの存在を知る ②「面白そうだな」と興味を持つ ③実際にダウンロードを行う④継続してアプリを利用という四ステップに分けられます。多くの会社が④に注力する中、①②③をまず企画し、その後、それに基づいて④を伸ばす企画を加えていく、という独自の開発モデルを取っています。これはよりユーザーベースで、イグニス〈 3689 〉が急成長を遂げている要因にもなっています。
上場基本情報
イグニス〈 3689 〉の上場基本情報は以下となっております。
市場/マザーズ 業種/情報・通信業 売買単位/100株
事業内容 スマートフォンおよびタブレット端末など向けのネーティブアプリサービスの提供
代表者名 銭 錕/1982年生
本店所在地 東京都渋谷区恵比寿
設立年 2010年
従業員数 61人 (連結)
株主数 77人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む)
資本金 1,000,000円 (7/7現在)
上場時発行済株数 5,860,000株 (別に潜在株式457,300株)
公開株数 1,371,900株 (公募460,000株 、売り出し911,900株)
178,900株 オーバーアロットメント含む
スケジュール (注)変更になる場合もあります
仮条件決定 仮条件:1,700円 - 1,900円
ブックビルディング 6/27-7/3
公開価格決定 1,900円
申込期間 7/7-7/10
払込期日 7/14
上場 2014/7/15
シンジケート 公開株数1,193,000株 (別に178,900株) / 単位(株) 単位(%)
イグニスの初値の予想は?
まず、類似企業との比較を行っていきます。今回の類似企業の選定基準は⑴事業内容(スマートフォンアプリ) ⑵時価総額(規模)⑶成長性の3つの観点から行っていきます。ピックアップした企業とPERを並べると、
KLab
〈
3656
〉
93.9倍 (連結予想 )
イーブック
〈
3658
〉
46.0倍 (単独予想 )
ボルテージ
〈
3639
〉
52.29倍 (連結予想 )
アートスパーク
〈
3663
〉
131.7倍 (連結予想 )
モブキャスト
〈
3664
〉
118.61倍(連結予想)
コロプラ
〈
3668
〉
34.4倍 (単独予想 )
となっています。これらの平均PERは79.5倍となり、これを鑑みると、初値は3750円〜4800円(PER70〜90倍)と想定します。
公開価格に関してはバリュエーションよりも安く抑えられているため、初値は公開価格を上回ってくるだろうというのが大方の見方です。先日上場したフリークアウトやレアジョブも公開価格を大きく上回る初値をつけているため今回も期待出来そうです。