株式会社イグニス〈 3689 〉はスマートフォン用アプリの企画・開発・運営を行っている2010年5月31日に設立されたベンチャー企業です。今回は、東証マザーズへ上場するということで初値を分析していきたいと思います。
イグニス企業概要
スマートフォン用向けアプリと言っても種類は無数にあります。イグニスが扱っかているのは、スマートフォン向けネイティブアプリ(端末が直接に演算処理するアプリ無料アプリ事業を軸に、さまざまなネイティブアプリサービスを展開しています。ではネイティブアプリとは何でしょうか。ここではWebアプリとの比較で見ていきます。
ネイティブアプリとはApp storeなどでダウンロードし、スマートフォン本体に内蔵するアプリ、いわゆるスマホアプリと呼ばれるものです。Webアプリは常にブラウザを開く必要があるため、ネット通信が基本的に必要となりますが、ネット通信が不要に出来るのもネイティブアプリの特徴です。
イグニス〈
3689
〉はネイティブアプリの3つの事業を主に行っています。
1.無料ネイティブアプリ
2.全巻無料型ハイブリッドアプリ
3.ネイティブソーシャルゲーム
です。
次にこれら一つずつについてビジネスモデルを見ていきます。
1は日常利用のツール系アプリ、エンターテインメント系アプリ、ライトゲーム系アプリを無料で提供し、アプリ内の広告収入を収益源としています。
2は 漫画コンテンツを展開しています。有名タイトルを取りそろえており、公開期間中は毎日30分無料で読め、30分以降は特定の話数を課金購入すれば続きを楽しめるようになっています。この課金購入と広告収入が主な収益源となっています。
このモデルをコンテンツ消費の新しいビジネスモデルとして特許出願しています。
3はアイテム課金を基本とするネーティブ・ソーシャル・ゲーム・アプリを提供しています。主力タイトルは、美少女カードゲームRPG(ロール・プレーング・ゲーム)の「神姫覚醒(かくせい)!!メルティメイデン」などとなっており、14年4月末現在iPhone向け50アプリ、アンドロイド向け26アプリの合計76アプリが、ダウンロード可能となっています。
イグニスの売上高と営業利益の動向
次に売上高・営業利益の動向とアプリ累計ダウンロード数を見ていきたいと思います。
【売上高・営業利益】
【アプリ累計ダウンロード数】
上記の二つのグラフからも成長著しいことが見て取れます。さらに、売上高・営業利益が急成長していますが、これは昨年八月に開始した全巻無料型ハイブリッドアプリの伸びが大きく貢献していると言えます。このアプリのビジネスモデルの特許が認められれば更に伸びることが予想されます。
また、前期はほとんど売り上げのなかったソーシャルゲームも新作ゲームが当たり好調でこの成長に貢献しています。2013年10月~2014年3月期(2014年9月期2Q累計)の売上高構成比は、無料ネーティブアプリ58.6%、全巻無料型ハイブリッドアプリ24.7%、ネーティブソーシャルゲーム16.6%となっています。また、主な販売先はdocks20.9%、米アップル17.1%、米グーグル13.6%、ファンコミュニケーションズ13.2%、アイモバイル11.0%となっています。