経済予測が的中せず批判が相次いでいるイングランド中央銀行(BoE)に批判の声が相次いでいる。
BoEは「過去の失敗例から学んだことは多い」と前向きな姿勢を示しているが、英金融政策委員会は「次の金融危機、景気減退予測はしない」と宣言。Brexitの影響がどの方向に転じるか世界中が固唾を飲んで見守る中、英経済見通しはますます不透明な要素が強まりそうだ。
英金融政策委員会「よい模範例がない」
英BBCはBoEが外した予測の最も有名な例として、2008年の金融危機を挙げている。2007年に発生したサブプライムローン問題は後にリーマンショックの引き金になったが、この時もBoEの予測は「見当違いだった」。
最近の例ではBrexit後の英経済予測だ。BoEの悲観的な予測に反して、離脱決定後も英経済は堅調な成長を見せた。BoEは2月に入り、2017年の実質GDP成長率の予測を前年比2%増へと、0.6ポイント上方修正している。「中央銀行の分析はあてにならない」「離脱に関して不吉な予測ばかりし、不必要に国民を不安におとしいれた」と批判されるのも無理はないだろう。
BoEチーフ・エコノミストのアンディ・ハルダン氏は1月、ロンドンで開催された政府系イベントに参加した際、経済予測を「マイケル・フィッシャーの瞬間」と形容。英BBCの気象予報士、フィッシャー氏がハリケーンの予測を外したことに例え、経済予測がいかに予想し難いものであるかを描写した。離脱決定後の英経済を天候に例え、「強風に襲われている」とも発言し反響を呼んだ。
ハルダン氏はこの発言とともに予測が外れた原因について、2月21日の英国下院財政委員会で説明を求められた。銀行からの借入れが増えるなど一部の金融危機の兆候は目に見えやすいものの、時間の経過とともに過去の金融危機から学んだことが忘れられていたとコメント。
過去の過ちを認め今後に活かしていく前向きなハルダン氏を後目に、同席していた英金融政策委員会(MPC)のヘルトヤン・ヴリエス氏は、「次の経済危機も景気減退も予測するつもりはない」と消極的な構えを見せた。「(予想を的中させるほど)よい模範例がない」ことを認めた。(ZUU online 編集部)
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