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株式投資は信用取引制度など取引システムそのものが他の投資より複雑です。その関係で税制も複雑。外国株式も例外ではありません。しっかり勉強して、無駄な税金を払わなくてすむようにしましょう。


株式運用益に対する国内税制

株式の配当所得と譲渡所得では課税方法が異なります。配当所得に対する課税方法は基本的に3種類あり納税者が選択することができます。

①総合課税制は他の所得と合算して確定申告する方法です。

税率は累進課税方式なので課税対象額合計が、課税率20%未満になる金額なら総合課税性を選択すると税率を抑える事が出来ます。また、この方法では借入利子控除有や配当控除を受ける事が出来ますが、譲渡損失を出している場合でも損益通算処理は出来ません。

②申告分離課税方式は確定申告する時に株式所得に関してのみ独立して申告する方法です。

この方式でも借入利子控除を受けることはできますが配当控除を受けることはできません。税率は所得税15.315% 地方税5%です。この方法で申告すると譲渡損失の損益通算処理をすることができますので、大きな損失を出した年にはこの申告方法を選ぶと少しでも節税することができます。

③源泉分離課税は、所得を受取る時に支払い側が税金を差し引く方法です。

この方法では確定申告の必要は無いのですが、総合課税分の所得とは分離してしまうので源泉徴収分の還付を受けることはできません。総合課税分所得税率が20.315%以上になる場合にはこの方法を選択すると所得が分散されて全体の税率を落とす事が出来ます。ただし、借入利息控除や配当控除、譲渡損失損益通算制度の適用は有りません。税率は20.315%です。譲渡所得に対する課税方法は申告分離課税です。

譲渡所得(課税対象額)=総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)

税率は税率20、315%(所得税15、315%、住民税5%)です。同一銘柄の株式の取得費が複数回になる時には、取得費総額を総株数で割って一株当たりの平均額を出します。譲渡損失が有る場合には3年間にわたり課税所得から控除することができます。ただし、未上場株や個人間の相対取引で得た譲渡益は、上場株式で発生した譲渡損を控除することはできません。


外国の税制と日本での課税方法

日本の税制では、居住者である限り海外株式であろうとも日本の所得税法に基づいて課税されますが、国外で株式を保有したり売買したりした時には、その国でも課税される場合があります。国外で課税されている場合には、国際的な二重課税を防ぐために海外で払った税金を、一定の条件のもとで税額控除の対象となります。この制度を外国税額控除制度と言います。租税条約が有る国々とは、その条約の内容に沿って控除制度を適用します。この制度を適用されるためには、確定申告の際に規定の書類を提出する必要があります。ただし、外国法人から受取る配当と、外国株価指数連動型特定株式投資信託の分配金に関しては配当控除対象外になります。