本記事は、安 慶陽氏の著書『孔子が教える金運易学』(さくら舎)の中から一部を抜粋・編集しています。

金運
(画像=CheeCatCreate / stock.adobe.com)

金運が悪い人は金運が悪くなる行動をしている

一般に、金運が悪いと思われる人に多いのは、「誰かからもらう」または「相手から奪う」という考え方です。

アメリカの組織心理学者アダム・グラント氏によって提唱された言葉に、ギバー(与えるタイプ)、テイカー(自分の利益優先タイプ)という言葉がありますが、後者がそれにあたります。

たとえば、なんでも無料で手にしようとする人。私は1年に1度くらい、無料キャンペーンを行うのですが、そのときにしかこない方がいます。

こういう人は、典型的なテイカーです。無料で受けられてラッキーという考えなのかもしれませんが、実は無料のものというのは、それしか得られません。

もちろん、どんなものかを試すために無料キャンペーンを利用するのはよいのですが、「無料だからやる」という考えでは、どんどん心が貧しくなってしまいます。貧しい心を持っているテイカーの人のところには、残念ながらお金は巡ってきません。

もう1つ、「ちょっと教えて……」というのも、貧しい心の表れです。「安ちゃん、これ、ちょっと教えて」「これって、どういうことなの?」と、時間とお金をかけて学んできた知識を削ぎ取っていく人たちが、昔は私の周りにもいました。こういうテイカーの人、あなたの周りにもいませんか?

ただ、正直に申し上げると、このときは、私の心も貧しかったため、「ここで興味を持ってもらえたら、コンサルの契約につながるかもしれない」という下心を持っていました。ギバー、テイカー、両方の思いを持っていたわけです。

こういう場合、どうなると思いますか? 残念ながら、こうした話から契約につながったためしは、ほぼありませんでした。

当時はこんなふうに自分の知識を奪われていくこと、そして、自分の下心が満たされないことに、大きなストレスを感じていました。ものすごくモヤモヤしたいやな気持ちでいっぱいになっていたのです。この時期、売り上げも伸び悩んでいました。

この状況を打破するために行ったのは、「あわよくば契約につながるかもしれない」という下心を持って人に会ったり、いろいろな会合に参加したりすることをやめることでした。

人と会うときは、お金をもらって会うか、お金を払って会うか。このどちらかにするというルールを決めたのです。

こうして下心をなくしたら、ものすごく気持ちがすっきりしました。正当なお金をきちんと払ってもらうことで、徹底して自分がギバーになることができるようになったからです。

豊かな心というのは、誰かのために自分を犠牲にすることではありません。自分にも相手にも敬意を払いつつ、双方が気持ちよくお金や知識を受け取れる環境を整えていくことが、豊かな心を作るのです。

あなたは今、誰かから奪い取ることをよしとする、テイカーになっていませんか? もし、金運が悪いと感じているなら、テイカーからギバーになるよいチャンスです。

出せば、入ります。

そのために何ができるかを、考えてみてください。

お金が「ない」を「ある」に変える

物価高騰や円安、世界情勢の不安から、多くの人がお金に対する不安を抱えています。しかし、「お金がない」「なくなったらどうしよう」と「ない」ことに意識を向ければ向けるほど、お金に嫌われてしまうことをご存じでしょうか。

実は、お金は「ない」と思えば「ない」状態になり、「ある」と信じれば「ある」ものとなっていきます。

私の手帳に貼りつけている付箋メモの中には、「お金ならあるよ」「お金だったらあるよ」と書き込んだものがあります。なぜこういう付箋を作ったかというと、本当はいつでも、どこでも、お金は「ある」からです。

私自身、これを自宅の壁に貼ったり、車の中に貼ったりして毎日目にするようにし、さらに声に出して言うことで、お金は「ある」という意識を自分に刷り込むことにしています。これは、金運が今ひとつという方に、おすすめしている方法の1つです。

そもそもあなたは、自分のお金はお財布と銀行口座に入っているだけだと思っていませんか? 実は、お金に好かれる人は、自分のお金の有無を財布の中身や預金残高だけで考えません。世の中にはお金がたくさん溢れていて、必要なときはいつでも、そのお金を自分のために使えると考えています。

でも、「それは人のお金であって、自分のお金ではない。だから自分の意思で使えるわけがないじゃないか」と考える方は多いでしょう。残念ながらこれこそが、「お金がない」を生み出してしまう考え方なのです。

この考えを覆すヒントとなる話があります。ある日、コーチングをしているDさんは、海外の有名な講師が来日するという話を耳にしました。

興味は持ったものの、セミナーが高額だったため、自分には無関係だと思っていました。

ところが申し込み締め切りの3日前に、そのセミナーに行きたいという強烈な思いが湧いてきました。

Dさんは豊かな人のものの考え方なども勉強し、それを実験している人でもありました。

「お金ならある」「お金だったらある」という刷り込みのおかげで、自分の手元にまだお金はないけれど、世の中にはお金があるのだから、なんとかなると思い至ったのです。

ありがちな考え方だと、両親にお金を借りる、友達に相談するなどが思い浮かびますが、3日間で150万円を用意するとなると、限界があります。

そこでDさんは、クライアントの方々に連絡し、「今、半年で50万円の契約でやらせていただいているコンサルティングを、次の1年間は50万円でご提供することにしました。

その代わり、明日までにご入金いただいた方に限ります」と伝えたのです。

すると、クライアントの方々は「え、いいんですか!?」と喜び、そのうちの1人から申し込みがあり、それぞれ50万円、合計150万円が集まりました。こうしてDさんはセミナーに参加することができ、その後の人生も大きく変わったといいます。

つまり、お金というのは、あなたの財布や銀行口座にあるものだけではありません。相手が喜ぶことを提供すれば、世界中にあるお財布から、お金を受け取ることができるのです。

ここでのポイントは、「お金はある」「お金ならある」という考え方を習慣にすること。この意識を自分にしっかりと浸透させれば、自分の財布や預金だけに頼らず、豊かさを感じられるようになります。

お金は常に存在していて、感謝や喜びを通じて自分のもとに巡ってきてくれるようになるのです。

この話を聞いたのは、ちょうど売り上げが落ち込み、お金に不安を感じていた時期でした。

初めは「本当かなぁ」と半信半疑でしたが、ともかく騙されたと思ってやってみようと思い、「お金ならある」「お金だったらある」と、まるで念仏を唱えるように繰り返し言い続けました。すると本当に、お金に対する不安はいつの間にかなくなっていました。

お金が「ない」という意識が、お金なら「ある」に変わるまでやり続ける必要がありますが、今でもこの方法にトライしてよかったと感じています。

『孔子が教える金運易学』より引用
安慶陽(アン・ケイヒ)
1977年12月7日、愛知県に生まれる。大手採用支援会社でキャリアコンサルティングの実績を積み、2010年に人材開発コンサルタントとして独立。現在は東洋思想、陰陽五行理論などを用いた独自の「帝王学」で経営や生き方の講演を行う。自著の『孔子経営手帳』は、自費出版では異例の売り上げ累計2万5000部を突破。「社長の家庭教師」との異名を持つ。著書に『必ず結果を創るビジネス帝王学』(KADOKAWA)がある。

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