本記事は、安 慶陽氏の著書『孔子が教える金運易学』(さくら舎)の中から一部を抜粋・編集しています。

金運は、「選択と行動」をする人にだけ作用する
金運は目に見えませんが、これをつかむための「選択と行動」は、自分自身の意識次第で変えることができます。つまり、金運がないと思っている人も、自分の「選択と行動」を変えれば、金運をつかむことができるということです。
たとえば、異業種交流会などに参加して名刺交換をした際、この人と交流したい、もっと深くお付き合いしたいという人がいたとします。
その場合、定型文をそのまま貼り付けたようなハガキと、交流会で交わした会話などのエピソードを交えた手書きのハガキと、どちらをもらったら、相手は嬉しいでしょうか。
たとえ字が上手ではなかったとしても、きっと後者のハガキのほうが嬉しいでしょうし、「また会ってみたい」と思ってもらえる確率が高いでしょう。
お金というのは人を介して運ばれてくるものですから、いつ、どのようなハガキを誰に送るかも、金運を高める「選択と行動」の1つとなります。
別の事例もご紹介しましょう。旅行に行ったら会社の人たちにお土産のおすそ分けをする。これは多くの人がやっていると思います。ところが、お金持ちの人ほど、こういうことはしていないのをご存じですか?
職場にお土産として、3,000円で30枚入りのクッキーを買ってきて均等に配るより、「この人といい仕事をしたい」と思う人が3人いたとしたら、それぞれの好物や興味に関連するものを旅先で見つけ、それを渡すという方法を取っているのです。
たとえば、干し芋が好きなAさんには「たまたま『奇跡の干し芋』というのを見つけたから、よかったら」と1,000円の干し芋を渡します。
食べ物に気を使っているBさんには、「名物のオーガニッククッキーがあったので、よかったらどうぞ」と1,000円のクッキーを渡します。
神社仏閣が好きなCさんには、「特別なご利益のお守りがあったので、よかったらお使いください」と、1,000円のお守りを渡します。
同じ3,000円でも特別感を出して、ビジネスパートナーとなる人たちとの関係性をよりよくするために使うのです。
均等に多くの人に配るより、特別と思える人を特別扱いしたほうが、自分も同じように特別に扱ってもらえますし、そういう人と人との深いつながりからお金が生まれることを
よく知っているのです。
お客様と自分という関係性でも同じことがいえます。個人で美容室を経営している人がいたとしましょう。
マニュアル通りのそつのない接客で回転率をあげるより、お客様1人ひとりを特別な人として扱い、薄毛に悩むAさんには頭皮ケアを、白髪に悩むBさんには若々しく見えるカラーリングを、忙しくて時間がないCさんには家でも手入れしやすい髪型を、などというように、それぞれのニーズに徹底して寄り添い、その人がもっとも輝く方法を提案したほうが、豊かな心を持ったお金持ちになる近道となります。
お客様1人ひとりを特別に扱っていけば、自分も特別な美容師として、お客様に認識してもらえるようになります。
そうすれば、提案を受け入れてくれたり、オプションをつけてくれたり、「あなたが言うなら」と、ヘアケア用品を購入してくれたりすることもあるでしょう。
お客様は自分が美しくなることを喜んでくださり、美容師さん自身も喜びややりがいを感じ、それとともにお金が回っていくようになります。
大事なことなので、もう一度お伝えします。
相手を特別に扱うからこそ、自分自身も特別に扱われるようになります。そこに喜びが生まれ、喜びがあるところにお金は集まります。上質なものを選ぶのは、上質な人たちだけ。そして、上質な人たちのところに、富はやってきます。
逆を言えば、言葉添加物やオナラ言葉が多かったり、常に「ない」という欠乏感を抱いていたり、知識や意欲などを奪っていこうとする人たちとのお付き合いは、極力避けたほうがよいということになります。
これらすべてが、金運を上げるための「選択と行動」になります。
豊かな人ほど、付き合う人を意識的に選択しています。以前、あるお金持ちの方から「誰とでも付き合うのは、やめなさい」と言われました。
お金持ちの人たちは、やはり周波数が同じお金持ち同士でいるのが心地よいのです。そこでは、お金につながる有効な情報もさまざまにやり取りされています。そういうレベルの人たちと付き合いたいなら、まずは自分自身のレベルを上げていくことです。
お金持ちの人たちはかなりシビアに人を見ているので、「この人は、だめだな」「この人といると恥ずかしいな」と思うと、残念ながらもう二度と会う機会はありません。
そうならないためにも、お金持ちマインドに寄った「選択と行動」を習慣づけること。
そうすれば、お金持ちにも、お金にも好かれるようになります。
金持ちは直感で選択する。迷いは貧乏のもと
「迷い」と「悩み」は、似ているようで、まったく意味が異なります。たとえば、AかBか、どちらを選んだほうが自分にとって得か損かを天秤にかけ、結論を出せない状態が「迷い」です。
迷いがあると、Aにしようと思っていたけれど「Bのほうが絶対得だよ」「Cはどう?」などと言われたとき、周囲の意見に惑わされやすくなります。
たとえば、転職先をA社とB社で迷い、B社に行こうと思っているけれど、ほかの人から「A社のほうがボーナスが高いよ」などと言われると、やはりA社にしようかなどと思ってしまいます。はたまた、C社の条件のいい話を聞いたら、C社に心がなびくでしょう。
そうして人は惑うため、いつまでも、もっといい条件を求めて果てしなく迷い続けます。
「迷い」と「惑い」で「迷惑」ですから、いつまでも迷う人は迷惑ということですね(笑)。
一方で「悩み」というのは、もっと内面的で深い問題と向き合うときに使う言葉です。
たとえば、身体的にハンディを抱えている人が、それをどう受け入れ、これからの人生をどう進んでいくかを決めかねている状況が「悩み」にあたります。
この悩みは、単純な選択の迷いとは異なり、自分自身の在り方や人生に関わる大きなテーマに対する葛藤です。
作家の
結果として、乙武さんはその不自由さを受け入れ、「手足がなくても自分は輝ける」という決断を下したことで、迷いが消えたからこそ、昨今の活躍があるのでしょう。
では、お金持ちの人たちは、どうでしょうか。彼らは迷うことが少なく、直感を頼りに素早く決断します。なぜなら、自分が今何を求めているか、何が好きかを明確にわかっているからです。
以前、あるメンターから、「メニューに値段が載っていないお店で、好きなだけ注文して食べてきてください」という課題を出されたことがあります。当時はまだ売り上げもそこまでなかったのですが「その貧乏マインドの荒療治です」と勧められました。
そのときの私は、自分が食べたいものを食べるのではなく、値段を見てから食べるか食べないかを決めていたのです。
「これ、いいな」という直感が働いても、値段をちらっと見て「15,000円か …… じゃあ、やめておこう」という癖をやめるために、そのときの最高のものを自分に与えることで直感を磨き、お金持ちマインドを育てていくことを試みたのです。
すると、何度か続けてこれを試すうちに、自分の中の迷いが消えて、直感的に「これがいい」と思ったものを常に選べるようになりました。
自分を喜ばせることに意識のアンテナが立っている人は、自分が今何を求めているか、自分は何が好きかをはっきりとわかっています。お金で制限をかけたりしません。だからこそ、迷いません。
自分がやりたいこと、自分が好きなこと、自分が人にやってあげたいことなど、すべてに制限をかけず、直感で選びます。そうすることで、お金持ちの人はさらに自分の直感に磨きをかけ、豊かな生活を生み出しています。
ところが、私たちの生活でよくあるように、迷いが生じるときは「もっと安いものがないか」「もっとお得なものはないか」と思っています。
たいてい、最初に選んだものが一番よいのですが、こうした迷いが生じて、結局は安いもの、お得なものを選んだりしてしまう。
これこそが、貧乏マインドです。これを続けていると自分の直感を信じられなくなり、常にお金を気にするような生活を自ら生み出してしまいます。
この貧乏マインドを払しょくするには、日常生活の中でも、自分の直感を優先させることを試すのが一番です。とはいえ、私のようにいきなり値段がついていないお店に行くことはありません(笑)。
カフェで、スーパーで、ブティックで、レストランで、など …… 自分が最初に「これがいい!」と思ったものを選んでください。この考えに基づいた行動を繰り返し、実験→検証→確信のサイクルを積み重ねると、自分の直感力が磨かれ、自分の選択に自信を持てるようになります。
値段や量やコストパフォーマンスがいいかどうかで選ぶのではありません。直感でいいと思うものを素直に選べるようになると、他者に対しても、それができるようになります。
値段を気にしながら選ばれたものよりも、「この人はきっとこれが好きだろうな」「この前、この色が好きと言っていたな」など、直感で選ばれたもののほうが、より大きな喜びを相手にもたらします。こうした豊かな循環は、巡り巡って、自分の元に戻ってくるものです。
最後にもう一度、お伝えします。迷いは貧乏のもと。
直感を使って、お金持ちマインドを育てていきましょう。

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