本記事は、安 慶陽氏の著書『孔子が教える金運易学』(さくら舎)の中から一部を抜粋・編集しています。

金運
(画像=miyui_283 / stock.adobe.com)

人に好かれる人はお金にも好かれる

お金は何が運んでくるかというと、やはり人が運んできます。そのため「人脈は金脈」ともいわれます。

しかし、交流会などにたくさん参加して、名刺交換をたくさんしたとしても、その相手のことをどれだけ理解して、その相手が自分のことをどれだけ好いてくれるでしょうか。もしその部分をおろそかにしていれば、人はあなたの元にお金を運んでくれないかもしれません。

たとえば、ミュージシャンやアーティストにはたくさんのファンがいて、「ライブをします」と言えば、みんなが喜んでお金を払って来てくれます。

そして、音楽やパフォーマンスを堪能し、「ああ、楽しかった!」「元気になれた!」と満足して帰っていきます。これこそ、人に好かれ、お金を引き寄せる人の典型的なパターンです。 

私たちも、彼らのようにお金を引き寄せるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。当書の中で再三触れているように、お金=易経の「兌」=喜びのエネルギーです。

最終的には、どれだけ喜びや幸せを相手に与えられるかが、豊かさの鍵となるのです。

【喜びと感動の付箋ワーク】

私は「〇〇さんに△△したら喜ぶだろうな」というテンプレートを付箋に書いて、部屋、トイレ、車、手帳などに貼っています。それを見たら必ず、今、思いついたことを口に出して言います。

たとえば、「お母さんに電話したら喜ぶだろうな」「〇〇さんに1本メールを送ったら喜ぶだろうな」「△△さんにあの情報を伝えたら喜ぶだろうな」という具合です。

実際にそれができたらよいのですが、たとえその場でできなかったとしても、何度も口に出したり、心の中で言ったりして、常に相手が喜ぶことを考える癖をつけておくと、自然とそれができるようになっていきます。

さらに、もう一歩深めるために、付箋の1つに「今日は誰が感動して涙してくれただろう」という自分への問いかけも記しています。

金運というテーマを深く考えると、最終的には人を喜ばせ、感動させることが大切だという結論に至ります。

脳科学的にいうなら、付箋に書かれたこれらの言葉を繰り返し口にすることで、脳がその出来事を探し始めます。これを習慣にすると、喜びや感動を追いかける生活が自然にできるようになります。

たとえば、「このあいだのセミナーが楽しかったから」と、友人を連れて来てくれたり、

「あのメッセージに感動したから」などと、新しい人を連れて来てくれたりするのです。すぐに売り上げにつながってもつながらなくても、「こうしたら喜んでくれるだろうな」ということばかり考えていたら、着実にお客様が自分のファンになり、「お金を支払ってでも会いたい」と思ってくれる人たちを増やすことができます。

私はこれまで、私のほうから「コンサルティングをしましょうか?」と声をかけたことはありません。ほとんどのお客様が「安先生に定期的に会うにはどうしたらいいですか?」と尋ねてくださるのです。

こうした喜びの相乗効果で、仕事が広がり、自然と金運も高まっていきます。

「喜びと感動の付箋ワーク」を通じて、人に喜ばれながら自然と仕事やご縁が広がり、金運も高まるということを、ぜひあなたにも体験してほしいと願っています。

森羅万象の教えを活かす 金運易学

メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手は、自分のパフォーマンスを常に最高の状態で維持するために、多くの専属のコーチやトレーナーに相応のお金を支払い、「大谷翔平チーム」として動いています。

成功を収めるためには、まず自分を整え、そのために投資を惜しまないことが重要だと理解しているからです。

だからこそ、二刀流としてあれだけの活躍を続けられるのでしょう。自分が最高のパフォーマンスを提供しようと思ったら、まずはそれが可能となる体を得なければなりません。そのためには、相応の対価を先に支払うというのが、道理ということです。

私たちはつい、まずは自分が儲けてから、誰かを儲けさせようと考えてしまいがちです。

しかし、これは自然の摂理に反する考え方です。自分の利益ばかりを優先してしまうと、なかなか物事がうまく運ばないことが多いのです。

この考え方には、易経の教えが深く関わっています。易経には64個の教えがありますが、その中で41番「山択損さんたくそん」の次に42番「風雷益ふうらいえき」が続きます。

この順番が示すように、自然の摂理は、「損→益」という順序が正しいということです。

まずは損をし、その後に益を得る。経営における「損益計算書」でも「損」が先に来るのは、この自然の流れを反映しているのです。

ところで、「損」という字は、手へんに口と貝と書きます。貝はお金を意味し、その上に口がついているということで、これはがま口財布を表しています。つまり、損の本質は、自分が持っているお金や資源を人に「はい、どうぞ」と差し出すことなのです。

このようにして他者に与えることで、結果的に自分にもお金が巡ってくると考えるかもしれませんが、実はさらに深い意味が存在します。

「損」では「はい、どうぞ」と周りの人にどんどん与えます。そこで、「自分だけ損をしている」「奪われた」「持っていかれた」という気持ちがあるうちは、利益を上げることができません。まずは自分が人に与え、それが巡り巡って自分の益となるということを理解することが重要です。

利益の「益」という字に、さんずいをつけたら「溢」になります。これは、相手のコップが喜びや感動で満たされ、その溢れた分が自分に返ってくることを意味しています。

与えたものがすぐに返ってくることを期待しがちですが、真の「益」は相手の期待を超える喜びや感動を提供することで生まれます。お客様が大きな喜びを感じてくれたとき、初めてその「益」が自分に返ってくるのです。

一見損のように思えることが、後に自分の益を生み出す。この視点を持ち、喜びや感動を提供し続けることこそ、時代を超えて通用する金運易学の真髄なのです。

『孔子が教える金運易学』より引用
安慶陽(アン・ケイヒ)
1977年12月7日、愛知県に生まれる。大手採用支援会社でキャリアコンサルティングの実績を積み、2010年に人材開発コンサルタントとして独立。現在は東洋思想、陰陽五行理論などを用いた独自の「帝王学」で経営や生き方の講演を行う。自著の『孔子経営手帳』は、自費出版では異例の売り上げ累計2万5000部を突破。「社長の家庭教師」との異名を持つ。著書に『必ず結果を創るビジネス帝王学』(KADOKAWA)がある。

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