本記事は、前田 鎌利氏の著書『シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=Monet_stock.adobe.com)

13文字の法則

人が一度に認識できる文字数は、13文字程度です。

キーメッセージは一番伝えたいことです。短い時間で理解してもらうには、文字数にも気を使いましょう。
人は13文字程度であれば、瞬時に内容を理解することが可能だといわれています。それが「13文字の法則」です。
場面によって文字数は変化する新聞の大見出しは9文字前後です。Yahoo! Japanのトピックスは13文字の法則が使用されていましたが、昨今フェイクニュースが多くなってきたため、15.5文字まで増やし、正確性を高めています。このように、メディアによって多少の文字数の違いはありますが、根本的には短い時間で内容を理解させる、興味を持たせるといったところが目的です。
もちろん、時には13文字では書ききれない案件もありますし、企業文化もありますから、目安として、可能な限り、短文化を目指しましょう。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

40文字の法則

キーメッセージ以外で補足する文章は、40文字以内に収めましょう。

ビジネスパーソンが最も読み慣れているものは、ワードの文章です。通知、規約、規則など多くの社内文書がワードで書かれています。40文字の法則とは、この慣れ親しんだワードのスタイルで1行に収められている文字数をベースにした法則です。
読み慣れているからこそ、理解することも容易になるのです。

40文字の法則は、企業に合わせて応用できる

補足説明は、全体で40文字以内で収められればベストですが、実際には、もっと詳細を記述しなければならない場合も多々あります。こうした企業文化は一朝一夕には変わりません。その場合は、40文字以内の文章で箇条書きにするようにしてください。
1文が長すぎる場合は、プレゼンではなく単なる資料としての読み物になってしまいますから、プレゼンを聞いてもらう、共感してもらうという結果につながりません。いずれにしても長い文章が書かれたプレゼンスライドは、理解するのに時間がかかりすぎますので、注意をしましょう。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

105文字の法則

1枚のスライドの最大文字数は、105文字を目安にしましょう。

『トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/越川慎司著)によると、リーダー層のプレゼンをAIで分析したところ、1枚のスライドの平均文字数は105文字だったそうです。優秀なリーダーたちは、短い文章で決裁を勝ち取っているのです。

どの文字量であっても「相手が読みやすく」することがコツ

単に105文字にすれば伝わるというものではありません。文字が少なくても、直感的に相手に理解させる工夫が必要となります。その際におすすめなのが図解化・短文化・アニメーションの3つを駆使する方法です。
図解化は、ボックスごとに短文化したものを記載するものです。こうすることによって、内容量が多い文章も、聞き手の頭の中で整理されながら伝わるようになります。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

マジックナンバー3

人間の短期記憶で覚えられるのは、3つまでです。絞って伝えましょう。

一般的な人の短期記憶(15秒程度)で覚えられる数には限りがあります。3つまでであれば、短時間で内容を把握することが可能です。一度にたくさんのことを伝えられても、覚えられないものです。たとえ図解のような整理された表現であっても、数が多ければ1枚のスライドに文字を詰め込んでたくさんの情報を伝える行為と同様です。

絞ることは伝えないことではなく、補足資料にすること

絞ることができない時は、相手の立場に立って、必ずターゲットが何を求めているのか仮説を立ててみましょう。
仮に絞って削った内容であっても、その削った部分は補足資料に置いておけば、聞かれた際に提示することができます。すべてを書き込んでせっかく伝えたいことから脱線するよりも、絞ることで有効にアプローチすることが可能です。あらかじめ3つに絞っておくことで、話すこともシンプルになり、話す内容も覚えやすくなります。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
前田 鎌利(まえだ・かまり)
プレゼンテーションクリエイター/アーティスト/書家/株式会社固代表取締役/一般社団法人継未代表理事/一般社団法人プレゼンテーション協会代表理事。1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、17年にわたり通信業界(光通信、ジェイフォン、ボーダフォン、ソフトバンク)に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、初年度第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料作りも担当。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。2016年7月、株式会社固を設立。ソフトバンク、ベネッセ、ジャパネットホールディングス、松竹、Jリーグ、KDDI、日立システムズ、キヤノンなど年間200社を超える企業にて講演・研修を行なう。著書『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料の図解化大全』(以上、ダイヤモンド社)は累計50万部を超える(2025年4月時点)。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
  1. 伝えるだけでは動かない、相手を“自走”させるプレゼン設計術
  2. 写真1枚で未来は変わる! “視覚で語る”プレゼン設計術
  3. 「13・40・105の文字」が導くプレゼン設計の極意とは
  4. 数字は語らない、意思決定を加速するデータ活用の本質
  5. 多画像効果で聴衆を魅了! 相手を「自分ごと」にする4つのつかみ
  6. デキる人はしない! 信頼を失うNGな話し方3つとは
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)