本記事は、前田 鎌利氏の著書『シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
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「写真」は未来の解像度を視覚的に上げる

短い時間で視覚的に伝えるには、イメージに合った「写真」を使います。

未来の解像度が一番上がるのは映像であり、五感を刺激する最適なツールです。ただし、プレゼンでは、時間や作成コストが限られますから、動画を挿入することは厳しいでしょう。そこで、プレゼンの場合は写真をベースにします。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

視覚的に未来像の解像度が上がると、ワクワク感が醸成されます。

最も解像像が高い未来像は映画の予告編

映画の予告編は短い時間で次に見たい映画を想像することができます。これと同じ効果をイラストや写真で目指しましょう。明るい未来を想起させるのであれば、朝日の写真や青い空といった写真、AIの進展を見せたいのであればデジタル的な要素が反映された脳のイラスト的なものを使用すると、共通したイメージがすべての人に醸成されます。文字だけの情報よりも、イメージがあった方が、齟齬なく伝わります。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

プレゼンでおさえたい「経営者の3つの観点」

プレゼンでは、経営者が見ている3つの観点をおさえましょう。

経営者は①財務的な観点、②実現可否の観点、③企業理念の観点を意識しています。①と②は、財務的なインパクトや費用対効果、実行に移した際の実現可能性の高さ、そしてそれらの結果が③の企業理念に合致しているかどうかです。企業理念に合致していなければ、自社で行なう必要はないと判断します。
決裁を勝ち取るためには、決裁者の視座を意識しましょう。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

3つの観点のポイント

財務的な観点では、プロのビジネスパーソンとして財務三表は理解できるようにしておきましょう。会社にまつわる数字は経営陣との共通言語です。実現可否の観点を持つには、担当している部署の一番のプロフェッショナルになることが大前提であり、何を聞かれても答えられるプロになりましょう。そして、最後の企業理念の観点は「自分の提案内容は理念と合致しており、だからこそやるべきであり、何があっても最後までやり切る胆力があること」を伝えることが求められています。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
(画像=シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本)

プレゼンで絶対伝えなければならない2つのこと

プレゼンに必要なのは「勇気」と「希望」です。

プレゼンでは商品の詳細、サービス概要など情報を伝えます。しかし、それだけでは相手は行動してくれません。
必要なのは勇気と希望です。勇気とは挑戦・やる気、希望とはワクワク感を持たせることです。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
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相手を動かすために大切なのは、相手にいかに自分の念いを届けられるかです。

決めるということは相手を信頼して任せること

「勇気」とは、「挑戦」や「やる気」を自分の言葉で最後まで任せて欲しいと伝えることです。そして「希望」とは少し先の未来の解像度を上げることです。
決裁者は、意思決定はできますが、提案者に最後までやり切ることを託すしかありません。成功の可否は提案者に委ねられるのです。
ですから、提案内容を実行することで訪れる未来が、より鮮明にイメージできると、意思決定しやすくなります。
人はワクワクする未来を望みます。ビジネスの未来をいかにワクワクするように伝えるかもプレゼンでは大切です。

シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
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シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
前田 鎌利(まえだ・かまり)
プレゼンテーションクリエイター/アーティスト/書家/株式会社固代表取締役/一般社団法人継未代表理事/一般社団法人プレゼンテーション協会代表理事。1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、17年にわたり通信業界(光通信、ジェイフォン、ボーダフォン、ソフトバンク)に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、初年度第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料作りも担当。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。2016年7月、株式会社固を設立。ソフトバンク、ベネッセ、ジャパネットホールディングス、松竹、Jリーグ、KDDI、日立システムズ、キヤノンなど年間200社を超える企業にて講演・研修を行なう。著書『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料の図解化大全』(以上、ダイヤモンド社)は累計50万部を超える(2025年4月時点)。

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シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本
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