本記事は、前田 鎌利氏の著書『シンプルだけど、人を動かす77のルール プレゼン力の基本』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
アンケートデータは読ませない
- アンケートデータは情報量が多く、脱線しがちなデータの筆頭です。
アンケートは顧客の声ですから、なるべくすべてを把握したい、すべての情報を見せて上司からさまざまな意見をもらいたい、後で「そんなことは書いていなかった」と言われたくない…… といった事情ですべてを見せがちです。しかし、情報量が多いと大概は話が脱線してしまいます。
情報は絞って伝え、必要に応じて補足資料で補完しましょう。
アンケートは、あくまで参考情報にすぎない
アンケート情報はあくまでアンケートですから、企画側の意図が反映されたものになりがちです。そして、実際にアンケートデータを元にした施策だからといって、すべて成功するわけではありません。意思決定をする上でアンケートの情報はあくまで1つの参考情報です。成功の可否は実行者が実現したいという強い気持ちを持ってやり切るかどうかにかかってきます。
アンケートデータはあくまで意思決定の1つの材料ですから、詳細を見せることにこだわらず、アクションにこそ注力するようにしましょう。
メッセージのガイドはグレーの三角形
- メッセージが長文になる時は、分けて読ませるようにしましょう。
キーメッセージやキーメッセージ以外の補足文章など、長文になる場合や因果関係がある場合は、文章を分けて表示しましょう。この時、因果関係があるものはグレーの三角形でガイドを表しましょう。
強調したいのは矢印ではないはずです。三角形でシンプルに表しましょう。
接続詞は目立たせない
「AだからB。Aを実施することで結果はBになる」ということを伝える際に、接続詞に該当する部分を記号を使って表現すると、文章よりも読みやすくなります。
ただし、この時に矢印は使用しないでください。AとBを上下に並べた場合、矢印だとグラフの減少傾向やダウントレンドを示す「ネガティブな表現」に誤解される場合があります。
三角形を下向きにし、かつグレーで目立たなくしましょう。この接続の部分を矢印や派手な色を使ってしまうと、そこが一番目立ってしまい、誤解を生む一因となります。
データ検索は画像でする
- 外部データを検索する際には、出典元や期間を確認し、画像検索をしましょう。
データを検索する時、まず最初に行なうのが、期間の設定です。1年以内に出されているデータをあたってみましょう。それで目星のものがなければ、2年前までを範囲にしてください。それ以上前は古いデータになりますから、有用性は低いです。
また、その上で、画像検索することをおすすめします。データを検索する際には、すでになんらかのイメージが浮かんでいるはずです。
たとえば、売上は年々増加傾向だというイメージがあれば探すデータは右肩上がりのデータといった具合です。このように、頭の中にあるデータイメージに近いものを探していく方が、求めているデータに早期に入手することにつながり、資料作成の時間が短縮できるのです。
おすすめのデータ出典元
データは、信頼がおけるところから入手しましょう。出典元はなるべく公的機関のものを使用しましょう。次は信憑性が高い出典の例となりますので、参考にしてみてください。
また、今後はAIを使って効率的検索が可能になっていきます。うまく活用すれば、先に紹介したサイトのリンクの中から必要としているデータを検索するように指示をすることが可能です。さらにAIに、それらのデータから何が読み取れるか、どんな傾向があるかのレポートも提示させるように指示を出すことで「検索→情報収集→考察」という一連の作業を一気に短縮化することにつながります。
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