2014年にスタートしてから、1,012万件以上のNISA(ニーサ)口座が開設されています(金融庁発表2016年6月末時点)。NISA口座を経由した株の売買は、すでに7兆7,000億円を超えており、口座の開設数も毎年右肩上がりで伸びています。

不労所得を目指す方にぜひ押さえてもらいたい「NISA」について解説していきます。

今さら聞けない、NISAについて

nisa
(写真=Hit1912/Shutterstock.com)

NISAは英国の少額投資非課税制度である“ISA(Individual Saving Account)”を参考につくられたものです。日本版のISAということで、NISAと名付けられました。投資に興味を持ってもらうために、金融庁、国税庁が推し進める制度の一つであり、投資で得た利益の一部が非課税になります。

20歳以上の日本に居住している人が対象になり、上場株式や投資信託などで得た利益が非課税対象です。年間で120万円までが非課税となり、非課税投資総額は最長5年間で合計600万円です。通常、一般の口座での株式売買により出た利益は、20.315%が課税の対象になります。なので、上限はありますが非課税となるNISAはお得な制度だといえるでしょう。ちなみに口座開設は一人一口座で、開設できる期間は2023年までとなります。

対象商品は、銀行から株式投資信託、証券会社から上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など種類が豊富です。日本証券業協会からは500円程度からはじめられる少額商品も紹介されており、初心者でもはじめやすくなっています。

不労所得を非課税に 〜NISAを利用して利益が出た場合のシミュレーション〜

不労所得がどのように非課税になるか、シミュレーションをしながら解説していきます。

【設定】
銘柄名:L
1株の金額:1,000円
保有数:1,000株(100万円分)
配当金:5万円(1株あたり50円として、年に1回の配当)

一般口座の場合、年に1回の配当金5万円に対して20.315%の1万158円が課税の対象になります。NISA口座を使用した場合、この1万158円が非課税になるため、そのまま残ります。

一般口座:20.315%の1万158円が課税対象
NISA口座:非課税

この銘柄Lが1年後に15%の利益が出たため売却するとします。1,000株(100万円分)から15%の利益が出るため、売却した場合利益は15万円となります。通常、利益に対して20.315%の3万473円が課税対象ですが、NISA口座を使用した場合は非課税になります。

一般口座:20.315%の3万473円が課税対象
NISA口座:非課税

上記の例で利益が出た場合、配当金である1万158円と売却益の3万473円の合計4万631円が手元に残る計算になります。利益分が120万円以内であれば非課税の対象になるため、上手に使いながら不労所得を増やす計画を立てて行きましょう。また、非課税のため確定申告の必要もありません。

NISA商品選びのポイント

株式投資、投資信託はリターンが大きい分、信用リスクや価格変動のリスクがあります。NISAを扱う証券会社は、2016年末の時点で130社に増え勢いをみせていますが、どのように選んでいけばいいのでしょうか。スタイル別に解説します。

1. 現在まとまった資金がない場合
1万円以下ではじめられる商品もあります。貯蓄の一部を投資に回すこともいいでしょう。少額からはじめられ、5年という長期でNISAが運用できます。

2. 株式投資にはまだまだ自信がないという場合
リスク分散させるために小分けにして投資します。多くの銘柄に少しずつ投資することでハイリターンは難しくなりますが、株式動向を知ることができます。

3. 知識不足や、もっと勉強をしてからはじめたい場合
証券会社に相談しながらはじめます。NISAを扱う証券会社が増えているため、サポート体制も充実しています。地域、取引手数料、サポート体制、情報提供の頻度や種類、扱っている商品の数などを考え、証券会社を決めましょう。

まだまだ自信のない方でも少額からはじめてみましょう!

NISAは、投資に興味を持ってもらうようにはじまった制度です。まずはNISA口座を開設し、少額からはじめてみましょう。株式や投資信託など投資の流れを把握できれば、10年後にNISAが終了してからも上手に不労所得を増やすことができるのではないでしょうか。(提供: 不動産投資セミナー