JPX日経インデックス400の目的
日本市場のインデックスと言えば日経225とTOPIXでしたが、そこに新たな指数が登場しました。「JPX日経インデックス400」です。略して「JPX日経400」と呼ばれることが多い指数です。
「JPX日経400」は日本経済新聞社、日本取引所グループ、東京証券取引所が共同開発した新しい株価指数です。
この「JPX日経400」が、既存の日経225やTOPIXとどのような差別化がされているのか、そして話題のNISAの受け皿となり得るのか、見ていきましょう。
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①JPX日経インデックス400の概要
「JPX日経400」がどのようなものか、まず概要を確認しておきます。
構成銘柄数はその名の通り400銘柄で、対象銘柄は東証上場銘柄 (市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ)です。
そして注目すべきは、銘柄の選定基準です。まず、対象銘柄から除外するためにスクリーニングされます。除外される基準は以下の通りです。
・上場後3年未満(テクニカル上場を除く)
・過去3期いずれかの期で債務超過
・過去3期すべての期で営業赤字
・過去3期すべての期で最終赤字
・整理銘柄等に該当
以上の条件に該当する銘柄は、「JPX日経400」対象銘柄から外されます。そして残った銘柄から、直近3年間の売買代金と選定基準日時点での時価総額で上位1000銘柄を選定します。
次に3年平均ROE、3年累積営業利益、選定基準日時点での時価総額の3項目毎に順位を決めて、1位の1000点から最下位の1000位で1点となるまでの点数を付けます。
さらにこれらの点数に対する補完的な位置づけとして、独立した社外取締役が2人以上選任されているか、IFRSを採用しているか、決算情報英文資料のTDnet(英文資料配信サービス)を行っているかといった項目で加点されます。
以上の様なスクリーニングや採点方式に基づいて、上位400銘柄が選定される仕組みです。
しかもこのようにして選定された銘柄は固定ではありません。毎年8月最終営業日には銘柄を定期的に入れ替えことになっています。
以上の様に、「JPX日経400」では、常に優良銘柄が選定された状態が維持されるという特徴があります。
②JPX日経インデックス400の優位性
「JPX日経400」がどのように優良銘柄を選定するのかは分かりました。では既存のインデックスとの差別化はどのようにされているのでしょうか。
まず、日経225は、単純に株価の平均ですので、必ずしも日本市場の値動きを代表しているとは言えません。例えば日本経済に最も影響力がある1社であるトヨタ自動車の株価が5,621円(執筆時時点)のときでも、日経平均株価は14,468円前後(執筆時時点)という全く乖離した価格帯にあり、必ずしも日本市場の値動きを代表しているとは言えないとされています。
またTOPIXはそもそも株価ではなく、時価総額の平均ですので、こちらも時価総額の高い一部の会社の影響度が強くなってしまい、さらに銀行株などの銘柄に偏っている指数とも指摘されている様に、日本市場の値動きを代表しているとは言えません。
つまり、日経225もTOPIXも、玉石混交と言われているのが現状です。
一方「JPX日経400」は、前述の銘柄選定基準から分かりますように、投資家にとって魅力的な銘柄が選定されているといえるのが特徴です。多岐にわたる厳しい選定基準は、投資家が安心して投資できる優良銘柄を400銘柄選定し、定期的に見直しているということを示しています。
ですから、一度選定された銘柄でも、業績が悪化している、あるいは資本効率が悪いと判断されれば次の選定時には除外されてしまいます。
また、選定範囲には東証2部銘柄、マザーズ銘柄、JASDAQ銘柄なども含まれ市場の枠組みを超えていることも特徴です。
つまり「JPX日経400」は投資家にとって安心できる優良400銘柄が常に維持されているインデックスと言えます。
③JPX日経インデックス400をNISAで運用
「JPX日経400」が投資家にとって安心できる優良銘柄を選定したインデックスで有ることがわかりました。そこで注目したいのは、「JPX日経400」をNISAで活用することです。
NISAは毎年100万円を上限として株式や投資信託を新規購入でき、その配当金や売買益を非課税にできる制度です。
このNISAの開始とほぼ同時に始まったのが「JPX日経400」です。当然、これらを組み合わせればより安定した投資ができると期待されます。そのため、2014年は投資信託元年と呼ばれることもあります。
既に資産運用大手は、「JPX日経400」が個人の長期投資の受け皿になると判断し、各社「JPX日経400」連動型の投資信託商品を提供開始しています。
しかも「JPX日経400」は優良銘柄が選定されていることで、それらの銘柄は当然投資先として選ばれやすくなり、そのことがさらに指数としての価値を押し上げることが期待されます。例えば既存の指数であれば、いくら優良銘柄が買い上げられても、一方で経営状態が悪化した銘柄が売られることで指数は相殺されることが起きていました。
しかし「JPX日経400」では、経営状態が悪化した銘柄は定期的に除外されますので、指数の足を引っ張る銘柄が無いという安心感があり、そのことが指数を安定的に引き上げる可能性があるのです。
このことは、日本の株式市場全体に対しても「JPX日経400」が極端な下落を防ぐ機能を持っている可能性があります。
ですから「JPX日経400」に連動したファンドは、優良銘柄のポートフォリオが容易に購入できるということになり、NISA口座で安定した資産運用を行いたい、という個人のニーズに適しています。
NISA口座は開いたけど、どの銘柄を買えばより安心できるのか分からない、と悩んでいる個人投資家にとって、「JPX日経400」連動ファンドは魅力的な商品となるでしょう。
JPX日経インデックス400はNISAの受け皿として期待
「JPX日経400」の算出が開始された1月6日にはすぐに大和投信、DIAMアセットから連動ファンドが販売されました。それほど「JPX日経400」には投資家の期待が高いと言えます。その後も各社から次々と連動ファンドが販売されており、ほぼ同時に始まったNISAの受け皿として期待されています。
NISAは100万円の限度があるため、あれもこれもと気になった銘柄を無制限に買い足していくことができません。そんなとき、「JPX日経400」という優良銘柄を選定した指数があれば、「JPX日経400」に採用された銘柄を選ぶことや、「JPX日経400」連動ファンドを選ぶことで、NISAの限度枠を最大限活かせるという期待があります。
従って、NISA利用者は、「JPX日経400」に注目すべきです
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