資産1000万人民元から1億人民元(約1億6541万円から16億5410万円)の中国のお金持ち(HNWI、High Net Worth Individual)が「移住・資産の移転・不動産購入したい地域 」として、日本が上昇中であることが分かった。ランキング自体は12位だが、過去1年間の伸び率は1.5%と、トップ25のうち最も高い。
この調査 は中国の資産調査会社、胡潤百富榜 (Hurun)と移民コンサルタント企業ビザズ・コンサルティング・グループによるもので、調査に協力したHNWIの304人のうち3割が、自国の公害のひどさや教育水準を理由に海外移転を希望している。
米国の都市が6都市ランクイン
中国の富裕層が移住・資産の移転・不動産購入したい地域トップ20
20位 アンティグア・バーブーダ(前年比0.2%減)
19位 マレーシア、フィリピン南東アジア地域(比較なし)
18位 ドイツ(比較なし)
17位 マルタ(0.8%減)
16位 フランス(0.2%増)
15位 香港(中、0.4%増)
14位 ロンドン(英、0.8%増
13位 シカゴ(米、0.5%増)
12位 日本(1.5%増)
11位 シンガポール(0.6%増)
10位 シドニー(豪、0.2%減)
9位 ニュージーランド(0.3%増)
8位 トロント(カナダ、0.2%増)
7位 メルボルン(豪、0.9%増)
6位 ボストン(米、1.0%減)
5位 バンクーバー(カナダ、0.8%減)
4位 ニューヨーク(米、1.7%減)
3位 サンフランシスコ(米、3.2%減)
2位 シアトル(米、1.0%減)
1位 ロサンゼルス(米、0.2%減)
移住検討の理由は5割が「公害」、4割が「教育の質」
中国HNWIが海外移住を検討している主な理由は「公害(52%)」「教育の質(44%)」「生活環境(37%)」「食品の安全性(24%)」「医療水準(21%)」などだ。
60%が「自国の不動産価格が今後3年にわたり値上がりし続ける」と確信しているものの、84%が人民元の切り下げを懸念しており、およそ半分が為替管理や自国の不動産バブルに不安を抱いている。そのせいか「海外の金融動向に注意を払っている」と答えたのは、昨年の2倍にあたる26%に増えた。
これらの層は自国で暮らすならば、「北京や上海、深セン市など、大都会での生活がよい」と答えている。
Hurunは中国が抱える深刻な環境・公害問題や、生活・教育水準が解決されれば、中国人HNWIによる海外移住は減るのではないかとの見解を示す。