7月も後半に入り暑さも本番ということなのでしょうが、株式市場はなんとなく過熱感もなく冴えない感じです。日銀や年金の買いも期待され、案外値持ちは良いのですが、積極的に上値を買い上がるということでもないようです。好調な決算を発表するものが多くなれば、少しは盛り上がってくるのでしょう。

企業業績が好調な割に賃金が上がらないというようなことがネックになっている面もあるのだと思います。結局、企業は利益を出すことが必要ですが、基本的には売り上げが伸び、賃金コストも伸びているうえで利益が伸びるということが必要なのでしょうし、ある意味では株主のためと言ってコストをかけている部分も従業員に還元するということも必要なのかもしれません。「従業員に優しい会社」を投資先として考えてみるのも案外面白いのではないかと思います。

本日の日本市場は週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高に振れたことで冴えない展開になりそうです。夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物が2万円の大台を割り込んでおり、2万円の攻防ということになりそうです。さらに円高が進むと大きく下落することになるのでしょうが、日銀や年金とみられる買いが入れば下げ渋りとなるのでしょう。

円安メリットの大きいと思われるハイテク銘柄など輸出株が売られそうで、2万円の攻防となりそうです。さらに日経平均銘柄入れ替えの影響などを懸念する動きも出てきそうで、少なくとも上値は重くなりそうです。2万円を割り込んでしっかりと買いが入るかどうかが注目されますが、買いが入らないとなると一気に19,800円水準までの調整もあるかもしれません。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

週末の米国市場が軟調、為替も円高に振れたことから売り先行となり、冴えない展開になりそうです。週末に日銀のETF(上場投資信託)買いも見られたことで、「安くなれば日銀の買いが入る」というような見方も出てきて売り難さもあるのでしょうが、決算発表の本格化を前にある程度好調な決算を織り込んでいるということになれば、手仕舞い売りを急ぐ動きも出てきそうです。

ここまで東芝 <6502> が日経平均から除外され、セイコーエプソン <6724> が採用されることでの変更のための持高調整の影響は出ていないようですが、いよいよ今週は入れ替えが行われるということ動きが出てきそうです。そのためのヘッジや影響を回避するための先物の売り買いなども相場を動かす要因となりそうで、波乱含みとなるのではないかと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)

証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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