中国のオンライン保険会社衆案保険(Zhong An)が香港での新規株式公開(IPO)実施を発表した。15億ドルの資金調達を目指している。

本土でのIPO計画が停滞していることから、まずは香港で上場を果たす決断に踏みきったようだ。上場が実現すれば、昨年48億ドルを調達した国泰君安証券(Guotai Junan)に続く大型IPOとなる(ロイター調査)。

本命上場先は中国本土

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

衆案保険のIPO計画は2016年から浮上していた。「年内に中国本土で最高20億ドルの調達を予定している」との関係者の証言を、IFR(インターナショナル・ファイナンス・レビュー) が報じた(ロイターより)ほか、「香港や米国でのIPOも視野に入れている」との意向を明らかにしていた。

香港上場に関しては、「期待したほどの関心を投資家が見せていない」ことなどを理由に、一旦立ち消えになっていた。しかし「本土での上場準備が思うように捗らず、候補地として香港を再浮上させた」 というのが、関係者の証言から知り得た今回のIPOの真相のようだ。
2015年には資金調達ラウンドを通して、モルガン・スタンレーや中国国際金融公司などから総額9億ドルを獲得し、時価総額を一気に80億ドルまで押し上げた。IPOによって新たな資金獲得を狙う(インシュランス・タイムズより )。

「IT企業IPOを香港で活性化させる切っ掛けに」と期待

衆案保険が香港を上場先として選んだ事実は、香港証券取引所(HKEX)の活性剤になると期待されている。

HKEXのチャールズ・リーCEO 曰く、香港では近年、IT分野のIPOが低迷している。収益性や上場審査基準の厳しさが足かせとなっているようだ。

衆案保険は2013年にアリババ(阿里巴巴集団)とテンセント(騰訊)が、「中国初のオンライン保険会社」として設立したが、そのアリババは翌年、上場規則を理由に香港ではなくニューヨークでのIPOを決めている 。

衆案保険のIPOは、より多くのIT企業を香港に誘致する切っ掛けとなるかもしれない。

香港およびニューヨークでの上場について、クレディ・スイスやJPモルガン・チェース、UBSに相談を持ち掛けたと報じられているが、各社コメントを控えている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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