結果の概要:住宅着工、許可件数ともに前月から減少、市場予想も下回る

8月16日、米国センサス局は7月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は115.5万件(前月改定値:121.3万件)と、121.5万件から下方修正された前月改定値からさらに減少、増加を見込んだ市場予想の122.0万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)を下回った(図表1、図表3)。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は、122.3万件(前月:127.5万件)と、こちらも125.4万件から上方修正された前月や、市場予想(125.0万件)を下回った(図表2、図表5)。

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結果の評価:住宅着工件数、許可件数ともに集合住宅が大幅に減少

住宅着工件数の伸びは、前月比▲4.8%(前月:+7.4%)となった(図表3)。戸建てが▲0.5%(前月:+8.2%)と小幅に減少したほか、集合住宅が▲15.3%(前月:+5.7%)と、17年3月(▲11.2%)以来となる2桁の減少となった(図表4)。また、前年同月比でも全体が▲5.6%(前月:+1.9%)と、3ヵ月ぶりに減少に転じた。こちらも戸建てが+10.9%(前月:+11.7%)と、16年9月以降、増加基調が持続する一方、集合住宅が▲33.4%(前月:▲16.0%)と5ヵ月連続の減少となったほか、16年9月(▲40.0%)以来の落ち込み幅となった。

地域別寄与度(前月比)は、南部が+0.2%ポイント(前月:▲3.1%ポイント)と僅かながらプラスに転じた一方、北東部▲2.0%ポイント(前月:+6.0%ポイント)、中西部▲2.6%ポイント(前月:+4.1%ポイント)、西部▲0.4%ポイント(前月:+0.4%ポイント)と全ての地域で減少した。

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住宅着工の先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が▲4.1%(前月:+9.2%)となったものの、前年同月比は+4.1%(前月:+6.9%)と、こちらは2ヵ月連続の増加となった(図表5)。

住宅着工許可件数(前月比)を戸建て、集合住宅でみると、戸建ては横這い(前月:+4.1%)とかろうじてプラスを維持した一方、集合住宅が▲11.2%(前月:横這い)と2桁のマイナスとなって全体の足を引っ張った(図表6)。

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このように、住宅着工・許可件数ともに7月は集合住宅が不振であったことが分かる。

一方、戸建て販売に関する不動産業者のセンチメントは非常に強い。直近(8月)の住宅市場指数のうち、戸建ての新築住宅販売動向が74となったほか、今後6ヵ月の販売見込みは78となった。これらは、販売動向が金融危機後の最高水準(75)に迫る水準となっているほか、販売見込みは最高水準(78)と並ぶ水準となっている(図表7)。

このため、集合住宅の動向には注意が必要だが、戸建ては好調を維持しており、住宅市場の回復が変調したと考えるのは時期尚早だろう。

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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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