昨日の海外時間には、米長期金利が上昇して円売りが優勢となりましたが、発表されたた米・8月小売売上高などが予想を下回ったことから円はやや買い戻されました。

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

アジア時間、東京市場が休場だったことから各通貨ペアとも小動きが続きました。

欧州時間序盤、特段の材料はありませんでしたが一旦ドル買いが優勢となって、ドル円は111.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1910台まで下落しました。しかしこのドル買いは続かず、ドル円は111.10円台まで反落し、ユーロドルは1.1960台まで上昇しました。この間ユーロ円はじり高となって133.10円台まで上昇しています。

NY時間にかけて、米長期金利が上昇を始めたことから円売りが優勢となって、ドル円は111.50円付近まで、ユーロ円も133.30円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.1950付近のもみ合いが続きました。

NY時間午後にかけて、米長期金利が一段高となると、ドル買いが強まって、ドル円は111.60円付近まで上昇幅を拡大、ユーロドルは1.1920付近まで下落しました。しかし米長期金利が伸び悩む展開となるとドル円は111.30円台まで反落したあと111.50円を中心としたレンジ取引となって、ユーロドルは1.1950付近の狭いレンジ取引となりました。

今日の海外時間にはユーロ圏・7月経常収支、独・9月ZEW景況感調査、ユーロ圏・9月ZEW景況指数、米・8月輸入物価指数、米・8月住宅着工件数/建設許可件数、米・第2四半期経常収支の発表が予定されています。

昨日はカーニーBOE総裁が「利上げは限定的で緩やかなものになる」と述べたことからポンド売りが強まりました。この動きを見てわかるように、引き続き市場は金利に敏感になっていることから、ドル円相場の鍵は明日(明後日未明)のFOMCが握っている。したがって、FOMCを前にして新しい材料がなければ111円台でのレンジ取引が続くと考えます。北朝鮮情勢に関しては、新たに具体的な動きがなければ材料視されない見通し。

FF金利先物による年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約57%と変わらずです。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。

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