事業所調査の詳細:飲食業が大幅に減少
事業所調査のうち、非農業部門雇用増の内訳は、民間サービス部門が前月比▲4.9万人(前月:+9.8万人)と、09年11月以来の減少に転じた(図表2)。
サービス部門では、運輸・倉庫が前月比+2.2万人(前月:+0.8万人)、医療サービスが+2.3万人(前月比:+2.2万人)と前月から伸びが加速したものの、専門・ビジネスサービスで+1.3万人(前月:+4.3万人)と前月から伸びが鈍化した。さらに、娯楽・宿泊サービスが▲11.1万人(前月:横這い)と大幅な減少に転じた。とくに、飲食業が▲10.5万人(前月:+0.6万人)と大きく落ち込んだことが大きい。
一方、財生産部門は前月比+0.9万人(前月:+6.6万人)と、前月から伸びが鈍化した。建設業が+0.8万人(前月:+1.9万人)となったほか、製造業が▲0.1万人(前月:+4.1万人)と2ヵ月ぶりにマイナスに転じた。
政府部門は、前月比+0.7万人(前月:+0.5万人)と、こちらは小幅ながら前月から伸びが加速した。内訳をみると、連邦政府が前月比横這い(前月:▲0.2万人)と前月から増加した一方、州・地方政府が+0.7万人(前月:+0.7万人)と、前月並みの水準を維持した。
前月(8月)と前々月(7月)の雇用増(改定値)は、前月が+16.9万人(改定前:+15.6万人)と+1.3万人上方修正された一方、前々月が+13.8万人(改定前:+18.9万人)とこちらは▲5.1万人の大幅な下方修正となった。この結果、2ヵ月合計の修正幅は▲3.8万人の下方修正となった(図表3)。
なお、BLSの公表に先立って10月4日に発表されたADP社の推計は、非農業部門(政府部門除く)の雇用増加数が前月比+13.5万人(前月改定値:+22.8万人、市場予想:+13.5万人)と、+23.7万人から下方修正された前月からさらに伸びが鈍化、市場予想には一致した。この結果、ADP統計も伸びの鈍化がみられたものの、雇用統計に比べて小幅な鈍化に留まった。
9月の賃金・労働時間(全雇用者ベース)は、民間平均の時間当たり賃金が26.55ドル(前月:26.43ドル)となり、前月から+12セント増加した。一方、週当たり労働時間は34.4時間(前月:34.4時間)とこちらは前月から横這いとなった。その結果、週当たり賃金は913.32ドル(前月:909.19ドル)と前月から増加した(図表4)。