昨日の海外時間には、米長期金利が上昇したことと、月末のロンドン・フィキシング絡みの買いでドル円は反発しました。またBrexitに関する次回協議に関する報道を受けてポンド買いが強まっています。
昨日の海外市場
欧州時間、米長期金利が上昇したことからドル買いが優勢となってドル円は113.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1620台まで下落しました。
NY時間にはいって「英国独立党元党首のファラージ欧州議会議員がEUのBrexit首席交渉官バルニエ氏に面会を求めている」と報じられると俄かにポンド買いが強まりました。さらに「EUとイギリス、離脱交渉の次回協議開催で合意間近」と報じられたことからポンドが一段と上昇しました。この際はユーロも買われ、ユーロドルは1.1660台まで、ユーロ円は132.10円台まで上昇しました。
その後ロンドン・フィキシング絡みでドル買いが強まるとドル円は113.70円台まで上昇し、ユーロドルは1.1630台まで下落しました。
NY時間引けにかけては、各通貨ペアとも小動きとなりました。
東京時間にはいって、米長期金利と日経平均が上昇していることからドル買いが強まっています。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは98%で変わらす、2018年6月の2回目の利上げは約64%にやや上昇しています。
今日の予定
今日の海外時間には米FOMCが開催されるほか英・10月製造業PMI、米・10月ADP民間雇用者数、米・10月ISM製造業景況指数、米・9月建設支出の発表が予定されています。
今後の見通し
今晩開催される米FOMCでは政策金利他の変更は予想されていません。イエレン議長の会見も予定されていないため、声明が注目されますが大きな変更はないと見られています。
ドル円相場は先週金曜日に10月の高値を更新したあと約1.5円下落しましたが、昨日2回113円割れを試して結局日足一目均衡表の基準線付近でサポートされて反発しました。ただし米長期金利は下げた分の一部しか反発していませんので、今晩のFOMC後に再び低下すれば、すぐに昨日の朝型の水準まで下げる可能性があります。その場合ドル円も再び113円割れを試すことが予想できますが、一方FOMC後に米長期金利が上昇し、株式市場も堅調なら114円台半ばを上回ることも考えられます。
ドル円で押し目買いを目指す
米長期金利動向次第と見られますが、次期FRB議長がほぼパウエル理事で決まり、という見方の中で米長期金利が下げ止まったことから、今晩のFOMCを経ても大きく金利が低下して、ドル円が昨日の安値を更新していく展開にはならない、と予想します。その為昨日のNY時間午前にもみ合った水準である113.40円付近で再びドル買いのポジションを作りたいと考えます。その場合の損切りラインは112.90円割れとします。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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