昨日の海外時間には、各国株価が下落し、米長期金利が低下したことから円買いが強まって一時ドル円は112円台半ばまで下落しました。

昨日の海外市場

(写真=PIXTA)

欧州時間、序盤から米長期金利が低下し欧州株が下落する中ドル売りが強まって、ドル円は112.60円台まで下落し、ユーロドルは1.1850台まで上昇しました。

NY時間にはいって、発表された経済指標はまちまちの結果で、一旦ドル売りが強まる場面もありましたが、米・10月消費者物価指数(コア)が予想をやや上回ったことから米長期金利が反発してドルの買戻しが優勢となって、ドル円は113.20円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1790付近まで下落しました。この間ユーロ円は133.10円台まで下落したあと133.50円台まで反発しています。

NY時間午後にはいると、米長期金利が再び低下し、NYダウも反落する中円買いが優勢となって、ドル円は112.70円台まで、ユーロ円は132.90円台まで下落しました。この間ユーロドルは1.1790付近のもみ合いが続きました。

東京時間にはいってからは、日経平均が上昇してドル円は一時113円台を回復しましたが、すぐに112円台に反落しています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約68%でやや低下しました。

今日の予定

今日の海外時間には英・10月小売売上高指数、ユーロ圏・10月消費者物価指数、米・11月フィラデルフィア連銀景況指数、米・10月輸入物価指数、米・新規失業保険申請件数、米・10月鉱工業生産/設備稼働率の発表があるほか、カーニー・英中銀総裁、ブロードベント・英中銀副総裁、カンリフ・英中銀副総裁、ホールデン・英中銀理事、メスター・クリーブランド連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁、コンスタンシオ・ECB副総裁、ブレイナード・FRB理事、ウィリアムズ・SF連銀総裁の講演が予定されています。

今後の見通し

今月8日以降13日まで、米長期金利が上昇した局面ではドル円はあまり反応せずにもみ合いが続いていました。ところが14日以降の米長期金利の低下局面ではドル円は素直に相関して下落をしています。もっと長い期間で見れば相関はある程度保たれていますが、足元を見るとドル円は上値の重さが目立ちます。要因としては米税制改正に対する懸念が思ったよりも強いことと、大きく上昇した株価に対して自信が持てないということがあるのではないでしょうか。

今晩は英中銀の総裁、副総裁を含む多くの高官や、来年FOMCで投票権を持つメスター・クリーブランド連銀総裁、ウィリアムズ・SF連銀総裁の講演があります。今後の金融政策に対する思惑でこうした材料に反応して為替相場が動く可能性があります。

一段の下落に備えドル売り円買い

中長期的なドル高の流れに変化が出たかはまだわかりませんが、短期的にはもう一段の下落がある可能性が高いことから113.40円付近でドル売りのポジションを構築することを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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