昨日の海外時間には、イギリスとEUが離脱に関わる清算金について大筋合意したとの報道を受けてポンド買いが強まりました。一方、米長期金利とNYダウが上昇したことからドル円も上昇し112円台を回復しました。
昨日の海外市場動向
欧州時間序盤、東京時間終盤の流れを引き継いでややユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.1880台まで、ユーロ円は132.30円台まで上昇しました。この間ドル円は111.50円台から111.30円台まで下落しています。その後各国株価と米長期金利が上昇したことからドル買いが優勢となって、ドル円は111.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1820台まで下落しました。
NY時間にはいると、ドル円は11月27日の戻り高値を上抜いたことで買いが強まる中、発表された米・第3四半期GDP(改定値)が予想を上回ったことから。米長期金利と各国株価が一段高となって、円売りが強まってドル円は112.00円台まで、ユーロ円は132.60円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.1810台まで下落幅を拡大したあと1.1840台まで反発しています。さらに発表された米・10月中古住宅販売保留指数が予想を上回るとドル円は112.10円台まで上昇しましたが、このドル買いが続かず、各国株価と原油相場が反落する中ドル円は111.60円台まで下落し、ユーロドルは1.1860台まで上昇しました。その後各国株価が反発すると原油相場も下げ止まる中ドル円は112.00円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1840台まで下落しました。
東京時間にはいって日経平均はやや弱含みですが、米長期金利が高止まりしていることからドル円は112円付近の小動きが続いています。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約79%へやや上昇でした。
今日の予定
今日の海外時間には独・10月小売売上高指数、独・11月雇用統計、ユーロ圏・11月消費者物価指数(速報値)、ユーロ圏・10月失業率、米・10月個人所得/個人支出、米・10月PCEコア・デフレータ、米・新規失業保険申請件数、米・11月シカゴ購買部協会景気指数の発表のほか、クオールズ・FRB副議長、カプラン・米ダラス連銀総裁の講演が予定されています。
今後の見通し
昨日は、米長期金利が反発する中円売りが強まりました。米税制改正に関してはまだ不透明感はあるものの、米上院予算委員会が税制改正法案を可決したことで前進したことと、パウエル次期FRB議長が段階的な利上げを継続することを示唆したことなどが要因と考えられます。ドル円は27日と29日午前に上げ渋った111.60円台を上抜くと、一気に112円台を回復し、高止まりしています。北朝鮮が昨日、アメリカ全土を射程に入れるとした弾道ミサイルの発射を行ったことから、地政学的リスクが急激に高まる可能性があって、その点はやや不安が残っているものの、米長期金利の反発と日米株価の上昇が続けばドル円は一段高になると考えられます。
ユーロドルの買いポジションに加え、ドル円も押し目買い
一昨日1.1840で作ったユーロ買いドル売りのポジションは損切りを1.18割れにおいて1.20付近での利食いを目指します。その一方で111.80円付近までの押し目があればドル円でドル買いのポジションを作りたいと思います。損切りラインは111.50割れ、利食いは112.50円付近です。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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