中国の銀行を取り巻く環境は大きく変化した。国有四大銀行(中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行)と、BATJ(バイドゥ、アリババ、テンセント、京東ジンドン)との提携はその最たるものだろう。銀行はそれなりに改革を指向している。その一つとして複数の銀行が、ATMの虹彩認証を採用した。銀行カードは近い将来、不要となる。続いて銀行そのものも要らなくなるのではないか。ニュースサイト「今日頭条」が分析記事を掲載した。中国の銀行はどうなるのだろうか。
ATMの虹彩認証
四大銀行の中国農業銀行、中国建設銀行、プライベートバンクの雄、招商銀行では、すでに虹彩認証を実現させた。
農業銀行のATM上には「刷臉取款」「Apple Pay取款」「無卡預約取款」と出てくる。「刷臉取が虹彩認証を指す。ここをタッチすると、50センチ離れたところに頭を固定し、額をはっきり出すように指示が出る。そして確認OKと出れば、次に身分証ナンバーが携帯ナンバーを入力する。続いて引出し金額、暗証番号と入力すれば現金が出てくる。銀行カードは必要なくなったのである。
農業銀行本部はすでに、営業店に対し積極宣伝するよう指示を出した。全国2万2064の支店や出張所、3万89の設置場所にあるATMを、虹彩認証を装備したATMに置き換えることを顧客に周知させるためである。
農業銀行はこの分野で最も先行している。これに続いて建設銀行と招商銀行でも、実験地区を設定し、試行を繰り返している。虹彩認証は農業銀行をリーダーとして、普及が進んでいくだろう。中国では「目だけで、飲食代を払う」時代が早晩訪れるのだ。