昨日の海外時間には、NYでの爆発事件をうけたリスク回避の動きで円買いが強まる場面もありましたが、明日にFOMCの結果発表を控えて全般的に小動きが続きました。
昨日の海外市場動向
欧州時間、特段の材料はありませんでしたが、米長期金利が低下したことから全般的にドル売りが強まって、ドル円は113.30円台まで下落し、ユーロドルは1.1800台まで上昇しました。
NY時間にはいって、NYで発生した爆発事件の影響もあって米長期金利が一段と低下すると円買いが優勢となって、ドル円は113.20円台まで下落幅を拡大し、133.80円台まで上昇していたユーロ円は133.50円台まで反落しました。しかし、米長期金利が反発する展開となるとドル買いが優勢となって、ドル円は113.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1770台まで下落しました。その後NYダウが上昇するとリスク回避が後退してドル売り、円売りが強まってユーロドルは1.1810台まで、ユーロ円は133.80円台まで上昇しました。
NY時間午後には、米長期金利が上昇したことからドル買いが優勢となって、ドル円は113.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.1760台まで、ユーロ円も133.50円台まで下落しました。
東京時間にはいって、寄付き後に上昇した日経平均が反落していることからやや円買いが優勢となっています。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約87%に上昇しています。
今日の予定
今日の海外時間には英・11月消費者/生産者/小売物価指数、独・12月ZEW景況感調査、ユーロ圏・12月ZEW景況指数、米・11月生産者物価指数の発表があるほか、ドラギECB総裁の講演があります。また米アラバマ州で上院議員補欠選挙が行われますが、当初有利と見られていた共和党候補が民主党候補に猛追される展開となっています。
今後の見通し
昨日の東京時間には、ドル円が最近の高値を更新しましたが、海外時間にはNYでの爆発事件をうけてリスク回避で円買いが強まる場面も含め、総じて小動きとなりました。本日から明日まで今年最後のFOMCが開催され、明日(東京時間14日4時)には0.25%の追加利上げが発表されると見られています。明日のFOMCの決定と声明などを待ちたいとの見方では今日も小動きが続く可能性があります。今晩の一番の注目点は、アラバマ州で行われる上院議員補欠選挙です。同選挙では、当初元アラバマ州最高裁判所判事で共和党のムーア候補が民主党のジョーンズ候補を10ポイント以上の差でリードしていたのですが、選挙期間中にムーア候補の過去の未成年者に対するセクハラ問題が報じられたことで、民主党候補が優勢となっています。アラバマ州で共和党が議席を失えば、定数100の上院で共和党の議席が51となり、今後法案の成立が困難となる可能性が高くなることから、株式市場でネガティブな反応となって、リスク回避で円買いが強まる可能性があります。
FOMC前までで一旦ドル売り
明日のFOMCの決定と発表される経済金利見通し、さらにはイエレン議長の会見などを受けて、今後しばらくの流れが決まることが考えられます。したがってアラバマ州の選挙を受けて円買いが強まったとしても限定的な動きとなる見通しですが、一旦ドル円でドル売りポジションをとりたいと考えます。113.60円付近で売り、損切りラインを113.90円に設定し、113.00円割れでの利食いを目指します。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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