昨日の海外時間には、米長期金利が上昇してドル買いが優勢になりましたが、ポール米共和党上院議員が「財政を破綻させる歳出法案は支持せず」と述べてドル円が急落する場面もありました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、特段の材料もない中小動きが続きました。

NY時間朝方から、米長期金利が上昇を始めると、各国株価も上昇を始め、ドル買いが優勢となって、ドル円は113.70円台まで上昇し、ユーロドルは1.1710台まで下落しました。この間ユーロ円は133.70円台から133.20円台までじり安となっています。

NY時間午後にはいって、ポール米共和党上院議員が「財政を破綻させる歳出法案は支持せず」と述べると、円買いが強まってドル円は113.30円台まで、ユーロ円は133.00円台まで下落しました。しかし円はすぐに売り戻され、ドル円は113.60円台まで、ユーロ円は133.20円台まで反発しました。

東京時間にはいって、日経平均がやや軟調に推移していることから円買いが優勢となっています。なお注目されているアラバマ州の上院議員補欠選挙の結果は東京時間今日午後に判明する見通しです。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約84%に低下しています。

今日の予定

今日の海外時間には、米FOMCが0.25%の追加利上げを発表すると見られています。また同時に声明と経済、政策金利見通し(ドットチャート)が公表され、イエレンFRB議長の会見が行われます。そのほか独・11月消費者物価指数(確報値)、英・11月雇用統計、ユーロ圏・10月鉱工業生産、ユーロ圏・第3四半期雇用者数、米・11月消費者物価指数の発表があります。

今後の見通し

注目されているアラバマ州上院議員補欠選挙の結果は東京時間今日午後に判明する見通しですが、現在までの報道では、民主党のジョーンズ氏が優勢が伝えられていますが接戦となっています。昨日も書いたように、共和党が議席を失えば、株式市場にネガティブな影響を与えて、円買いが強まる可能性があります。

今晩のFOMCでは0.25%の追加利上げが決定されるとほぼ100%織り込まれています。したがって、相場に影響を与えるのは、今後の経済、政策金利見通し、特に来年の利上げの回数の予想、さらに声明の文言の変更、イエレンFRB議長の会見です。夏のハリケーンによる影響がかなり遠のいた中で、楽観的な経済見通しと、来年中の4回の利上げ予想が示されれば、米長期金利の上昇でドル買いが強まると考えられます。

FOMCに備えてドル買いポジションを

昨日113.60円でドル売りポジションを作りましたが、当初113.90円に置いていた損切りラインを建値の113.60円に引け下げ損失を回避しながら、アラバマ州上院補選で民主党ジョーンズ候補が勝利が確定してドル売りが強まったところで113円付近で利食いたいと考えます。その後FOMCで楽観的な見通しが示されると予想して、112円台後半では、50銭程度の損切りを設定した上でドル買いポジションを構築したいと考えます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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