株式投資をする場合、日本の株式だけを対象に投資するのではなく、世界の株式に投資したいと考えている人もいるだろう。実際に購入するか否かに関わらず、世界の株式市場を見回したとき、やはり外せないのが世界一の経済大国であるアメリカだ。
アメリカの株式市場は、ニューヨーク証券取引所とナスダックに大別でき、そのナスダックには約3,000銘柄が上場している。そこで、ナスダックとナスダック100の違いや、個人投資家にとっての活用方法などについてお伝えする。
ナスダック100とは 通常のナスダックと何が違うのか
ナスダック100を理解するためには、まずナスダックとは何かを理解しておく必要があるだろう。前述のように、ナスダック (NASDAQ) とはアメリカの株式市場のひとつであり、元々は「店頭銘柄気配自動通報システム」を意味していた言葉だ。世界初のコンピュータシステムのみの電子市場として注目を集めた市場で、アメリカのベンチャー企業向け株式市場として有名である。
ただ、当初はベンチャーや中堅という位置づけだったIT企業などが、巨大企業に成長した後もナスダックに残っていることも多い。ニューヨーク証券取引所と並ぶアメリカの代表的な株式市場となっていて、世界中の企業が上場している。ナスダック総合指数とは、ナスダック市場に上場している全銘柄を対象に算出した株価指数である。
ナスダック100とは、ナスダック上場企業のうち代表的な100社のことである。従って、ナスダック100指数とは、ナスダック上場株式のうち代表的な100銘柄で構成される株価指数のことを指す。100銘柄の選択基準は金融セクター以外の銘柄で、流動性が高い時価総額上位100社とされている。市況によって時価総額は変動するので、定期的に銘柄入れ替えが行われている。
ナスダック100をどのように活用すればいいか
それでは、個人投資家はナスダック100をどのように活用すればいいだろうか。2つの視点から解説しよう。
1.世界の代表的な企業の動向を確認できる
ナスダック100指数の特徴や活用方法を理解するためには、多くの機関投資家がベンチマークとしているアメリカ市場の代表的な株価指数「S&P500」という株価指数との違いを理解しておくことが重要になる。S&P500は、ナスダックを含むアメリカ市場に上場している銘柄の中で、代表的なアメリカ企業 (基本的にはアメリカに本店を置く企業) 500社の株価指数だ。
それに対し、ナスダック100指数は、ナスダックに上場している企業なら、アメリカ企業か否かに関わらず採用の対象となるので、S&P500に比べて「より世界の代表的な企業の動向を表した株価指数である」といえる。もちろん、ナスダックに上場している以上、アメリカ株式市況の影響を受けることは否めないが、S&P500のような代表的な株価指数を確認すると同時に、ナスダック100の動向や双方の動きの違いを見ることによって、世界の代表的な企業が市場平均より買われているのか売られているのかを判断するひとつの材料になりえるだろう。
2.IT企業の動向を確認できる
もうひとつの特徴として、ナスダックに上場している全銘柄から時価総額が大きい100銘柄を選定してているため、ナスダック総合指数よりも、ハイテク (IT) 銘柄の影響力が強いことが挙げられる。実際に組み入れ上位銘柄を確認すると、知名度の高いIT企業がずらりと並んでいる (2017年9月現在) 。
時価総額が大きくなりやすい金融セクターを除外しているため、よりIT企業の影響力が強まる株価指数となっている。従って、上記と同じように、S&P500とナスダック100を見比べることによって、IT企業が市場平均より買われているのか売られているのかを判断するひとつの材料になりえると言える。
日本から投資する際は為替リスクに注意
ナスダック100指数そのものを投資対象にすることも可能である。日本でも日経平均株価に連動する上場投資信託 (ETF) が販売されているが、同じようにナスダック100指数に連動したETFも販売されている。
ただし、日本から投資する場合は、ナスダック100指数の変動以外に為替レートの変動の影響を受けるため、為替相場の状況には注意する必要があるだろう。(提供:大和ネクスト銀行)
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