結果の概要:住宅着工、許可件数ともに前月、市場予想を上回る

米国,住宅着工,許可件数
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2月16日、米国センサス局は1月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は132.6万件(前月改定値:120.9万件)と、119.2万件から上方修正された前月値から伸びが加速、市場予想の123.4万件(Bloomberg集計の中央値)も上回った(図表1、図表3)。

一方、住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は139.6万件(前月改定値:130.0万件)と、130.2万件から下方修正された前月、市場予想の130.0万件も上回った(図表2、図表5)。1月の許可件数は07年6月(140.7万件)以来の高水準であった。

米国,住宅着工,許可件数
(画像=ニッセイ基礎研究所)

結果の評価:18年入り後も住宅市場の堅調な回復は持続

住宅着工件数の伸びは、前月比+9.7%(前月:▲6.9%)と前期からプラスに転じた(図表3)。集合住宅が+23.7%(前月:+2.8%)と前月から大幅に伸びが加速したほか、戸建ても+3.7%(前月:▲10.6%)と前月の2桁のマイナスからプラスに転じた(図表4)。

前年同月比は+7.3%(前月:▲4.7%)とこちらも前月からプラスに転じた。戸建てが+7.6%(前月:+4.7%)とプラスを維持したほか、集合住宅も+6.7%(前月:▲21.1%)と前月の大幅なマイナスからプラスに転じた。

地域別寄与度(前月比)は、中西部が▲1.4%ポイント(前月:▲0.9%ポイント)と3ヵ月連続のマイナス寄与となったものの、それ以外では北東部が+3.3%ポイント(前月:▲0.4%ポイント)、南部も+4.6%ポイント(前月:▲5.9%ポイント)と前月からプラスに転じたほか、西部が+3.1%ポイント(前月:+0.2%ポイント)と3ヵ月連続のプラスを維持するなど、プラス寄与となった。

米国,住宅着工,許可件数
(画像=ニッセイ基礎研究所)

先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が+7.4%(前月:▲0.2%)と3ヵ月ぶりにプラスに転じた(図表5)。戸建てが▲1.7%(前期:+1.9%)と5ヵ月ぶりにマイナスに転じたものの、集合住宅が+26.5%(前月:▲4.3%)と3ヵ月ぶりにプラスに転じて全体を押上げた(図表6)。

一方、前年同月比では+7.4%(前月:+2.7%)と4ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが+7.4%(前月:+6.1%)と14年5月以降増加基調が持続するほか、集合住宅も+7.3%(前月:▲3.9%)と5ヵ月ぶりにプラスに転じた。

米国,住宅着工,許可件数
(画像=ニッセイ基礎研究所)

一方、建設業者の新築住宅販売に関するセンチメントを示す住宅市場指数は、今後も新築住宅販売が堅調に回復することを示唆している。直近2月の住宅市場指数は99年7月以来となった17年12月の74からは低下したものの、1月から2ヵ月連続で72と高い水準を保っている(図表7)。

米国,住宅着工,許可件数
(画像=ニッセイ基礎研究所)

とくに、今後6ヵ月の販売見通しは2月が80と前月の78から改善し、05年6月以来の水準となっており、建設業者は当面新築住宅販売が堅調に回復すると予想している。

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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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