結果の概要:住宅着工、許可件数ともに前月、市場予想を下回る
3月16日、米国センサス局は2月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は123.6万件(前月改定値:132.9万件)と、132.6万件から上方修正された前月値から低下、市場予想の129.0万件(Bloomberg集計の中央値)も下回った(図表1、図表3)。
一方、住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は129.8万件(前月改定値:137.7万件)と、こちらは139.6万件から下方修正された前月からさらに低下したほか、市場予想の132.0万件も下回った(図表2、図表5)。
結果の評価:戸建ては比較的堅調維持も、住宅市場の回復モメンタムは低下
住宅着工件数の伸びは、前月比▲7.0%(前月:+10.1%)と前月からマイナスに転じた(図表3)。戸建てが+2.9%(前月:+3.5%)と2ヵ月連続のプラスを維持した一方、前月に2桁の伸びとなった集合住宅が▲26.1%(前月:+25.6%)と2桁のマイナスに転じた(図表4)。
前年同月比では▲4.0%(前月:+7.5%)と、こちらも前月からマイナスに転じた。戸建てが+2.9%(前月:+7.6%)と16年9月以降、プラスを維持する一方、集合住宅が▲18.7%(前月:+7.4%)と2桁のマイナスに転じた。
地域別寄与度(前月比)は、中西部こそ+0.8%ポイント(前月:▲2.2%ポイント)と4ヵ月ぶりにプラスに転じた一方、それ以外の地域では北東部が▲0.3%ポイント(前月:+2.1%ポイント)、南部が▲3.8%ポイント(前月:+7.4%ポイント)、西部が▲3.8%ポイント(前月:+2.8%ポイント)といずれも前月からマイナスに転じた。
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が▲5.7%(前月:+5.9%)と前月からマイナスに転じた(図表5)。戸建てが▲0.6%(前期:▲0.5%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、集合住宅も▲14.8%(前月:+19.3%)と前月からマイナスに転じた(図表6)。
一方、前年同月比では+6.5%(前月:+5.9%)と5ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが+4.6%(前月:+8.8%)と14年5月以降プラスを維持するほか、集合住宅も+13.2%(前月:▲2.8%)と6ヵ月ぶりにプラスに転じた。
一方、建設業者の新築住宅販売に関するセンチメントを示す住宅市場指数は、直近3月が70(前月:71)となり、前月から小幅ながら低下した(図表7)。
住宅販売の現況が77(前月:77)と同水準を維持したものの、今後6ヵ月の販売見込みが78(前月:80)と前月から低下したことが大きい。
住宅市場指数は、17年12月に74と99年7月以来の水準に改善していたが、3月まで小幅ながら3ヵ月連続で低下しており、新築住宅販売の回復モメンタムには低下がみられる。
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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員
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