2018年4月24日11時過ぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は108円を抜けてきており、完全にドル買いの流れに転換したようだ。今まで上値を止めてきた107.80円のレジスタンスを、昨日23日(月)にきれいに抜けてきており、108.05円や108.50円のレジスタンスもしっかり抜けた。

元々、今週想定していた高値が109.30円だったが、上方向に向けて、しばらく底値固めをしつつ向かって行くだろう。この上昇の背景は、北朝鮮の核実験の中止や米中の貿易摩擦の緩和という、北・中、両方のリスク減退だ。そのため、リスクオフの巻き戻しが出ている。

また、以前のリスクオフの際、安全資産である米国債(10年債)を買っていた。しかし、リスクオフの巻き戻しで、買っていた米国債を売ることによって米国債利回りが上昇する。これが3%に近づくことによって余計にドルが買われているのが現状だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円のトレンドからすると、110円を超えてどんどん上がるイメージはないものの、ショートポジションや米国債のロングが、全て切れてはいないとみており、米国債ロングの投げが続けば、利回りが3%を超えてくる可能性がある。しかしそれがかえって、ドルを底堅くするため、流れとしては上方向の109円台に向かうだろう。

想定していた予想上値の109.30円は、一時的にオーバーシュートで超えるかも知れないが、それより上の110円には届かないイメージだ。よって、本日24日(火)時点の今週の米ドル/円の予想レンジは、107.30~109.50円。この上昇基調では、ドル買いから入らざるを得ないだろう。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。