日経平均株価は5/22（火）以降に下落局面となりました。米朝首脳会談開催に対する不透明感や、米国とその他の国との間の貿易戦争に対する懸念、欧州政治の混乱など悪材料が重なったことが影響していると考えられます。
そうした中、株式市場は6月を迎えました。6月は109銘柄で株主優待の権利が確定します。「決算月」としては3月ほどではないにせよ、12月決算の企業もかなりあり、その「中間決算期末」に当たる6月には多くの企業で株主優待や中間配当の権利が確定します。投資家の関心度が「トップクラス」の株主優待銘柄も含まれています。株主優待や中間配当の権利を享受しつつ、中長期での株式投資を指向している投資家にとってはむしろ、現状の株価下落局面は投資好機と映るかもしれません。
そこで今回の「日本株投資戦略」は、6月に権利確定が予定されている株主優待実施銘柄をご紹介したいと思います。投資家の関心が強い株主優待実施銘柄に加え、好業績が期待され、その分株価下落リスクが小さいと思われる株主優待実施銘柄も併せてご紹介したいと思います。後者については、分散投資を行いやすいよう最低投資金額が20万円未満の銘柄から選んでみました。
投資家の関心が強い「6月株主優待銘柄」の上位10社をご紹介
SBI証券のWEBサイトでは、「株主優待」についていろいろと調べることができます。下の図1は、そのうちの代表的な方法をご紹介しています。
表1はそうした当社の株主優待検索ツールを用い、6月に株主優待の権利が確定する予定の銘柄について、投資家の関心が強いとみられる銘柄のベスト10を並べたものです。
図1：SBI証券のWEBサイトを使って「株主優待」を調べる代表的な方法
1 ログイン後、「国内株式ページ」に移る方法と「株主優待」をクリックする方法があります。
2 株式検索ウィンドウの真下にある「株主優待」をクリックして下さい。
3 「株主優待検索」のページに移ります。
株主優待銘柄を様々な角度から検索できるページです。ぜひ、お試しください。今回の「日本株投資戦略」では、左下の「権利確定月」から「6月」を選び、右の「閲覧回数順」でソートした銘柄を、表1としてご紹介しています。ここで「閲覧回数」が多いということは、投資家の関心がそれだけ強いことを示していると考えられます。
表1：6月に株主優待の権利が確定する銘柄で投資家の閲覧回数が多い銘柄トップ10
コード / 銘柄名 / 株価（6/1） / 予想一株配当金（円） / 予想配当利回り / 最低投資単位（100株）の株主優待内容（概要）
<3197> / すかいらーく / 1,627 / 38.0 / 2.3% / 3,000円相当の飲食代割引カード
<2418> / ツカダ・グローバルホールディング / 636 / 10.0 / 1.6% / 自社グループ運営施設飲食・宿泊割引券1枚および500円相当のクオカード
<8912> / エリアクエスト（6） / 297 / 2.0 / 0.7% / 2,000円相当の優待券または1,000円相当の自社オリジナル・クオカード
<8165> / 千趣会 / 520 / - / - / 1,000円相当のカタログ買物券
<3405> / クラレ / 1,672 / 42.0 / 2.5% / 自社オリジナルカレンダー（希望者）
<2914> / 日本たばこ産業 / 2,902.5 / 150.0 / 5.2% / 1,000円相当の自社（グループ）商品
<2702> / 日本マクドナルドホールディングス / 5,460 / 30.0 / 0.5% / 優待食事券1冊
<5959> / 岡部 / 984 / 26.0 / 2.6% / 500円相当のオリジナル・クオカード
<2811> / カゴメ / 3,765 / 35.0 / 0.9% / 1,000円相当の自社商品
現買信買 / チャート / 8179 / ロイヤルホールディングス / 2,938 / 30.0 / 1.0% / 優待食事券（500円）1枚
※当社株主優待検索ツール、会社公表データを用いてSBI証券が作成。予想一株配当金は会社予想ベース。予想配当利回りは同予想一株配当金をベースに計算されています。予想配当利回りは、中間配当を含む年間のすべての配当を受け取った場合の配当を基準に計算されています。「最低投資単位（100株）の株主優待内容」は最低投資単位を投資して権利を確定した場合の株主優待の内容について、その概要を記載したもので、株主優待内容のすべてを示しているとは限りません。投資単位や保有期間によって優待内容が異なるケースも多いので注意が必要です。正式な優待内容については各企業のWEBサイト等公式データをご確認ください。なお、データは2018/6/1（金）現在のものです。株主優待の内容や閲覧回数順等、その後に変化する場合もありますのでご注意ください。なお、銘柄名に（6）の印が付いている銘柄は6月決算銘柄で、他は12月決算銘柄です。表1でご紹介する10銘柄の権利付最終日は6/26（火）です。
6月に権利が確定する銘柄の中、投資家の閲覧回数（6/1現在）がもっとも多い銘柄はすかいらーく <3197> です。仮に1年間保有した場合、12月末の権利確定日付でもさらに3,000円相当の飲食代割引カードが受け取れることになり、年間合計の金額は6,000円となります。また、保有株式が増えれば、割引可能な金額も増える内容となっています。
また、日本マクドナルドホールディングス <2702> が株主優待として贈呈する「優待食事券1冊」には、バーガー類、サイドメニュー、飲物、3種類の商品の無料引換券が1枚になったシート6枚が付いています。
「20万円で買える好業績期待の株主優待銘柄」はコレ!?
最後に、6月に権利確定が予定されている株主優待実施銘柄のうち、好業績が期待され、その分株価下落リスクが小さいと思われる株主優待実施銘柄をスクリーニングにより、抽出したいと思います。
スクリーニング条件は以下の通りです。
（1）6月に権利確定となる株主優待実施銘柄であること
（2）最低投資金額が20万円以下の銘柄であること
（3）12月決算銘柄の場合、第1四半期（2018年1月～3月期）の営業増益率が通期予想増益率以上
（4）6月決算銘柄の場合、第3四半期累計（2017年7月～2018年3月期）の営業増益率が通期予想増益率以上
（5）予想配当利回りが1%以上であること
上記の全条件を満たす銘柄を第1四半期または第3四半期累計の営業増益率（前年同期比）の高い順に並べたものが表2となっています。
これらの銘柄は最低投資金額が20万円以下の銘柄であるため、分散投資を行うことが比較的容易であると考えられます。また、表1の投資家の関心が強い銘柄と組み合わせることも有効な投資方法のひとつだと思います。
表2：「20万円で買える好業績期待の株主優待銘柄」はコレ!?
6月決算銘柄
コード / 銘柄名 / 株価（6/1） / 予想一株配当金（円） / 予想配当利回り / 第3四半期累計営業増益率 / 今期予想営業増益率（会社予想） / 最低投資単位（100株）の株主優待内容（概要）
<1431> / Lib Work / 1,149 / ※17.5 / 1.5% / 396.9% / 64.1% / 1,000円相当クオカード
<6785> / 鈴木 / 1,036 / 11.0 / 1.1% / 51.9% / 19.0% / 1,500円相当の地元名産品
<5698> / エンビプロ・ホールディングス / 823 / 17.0 / 2.1% / 29.9% / 24.2% / 1,000円クオカード
<7962> / キングジム※ / 1,101 / 14.0 / 1.3% / 25.2% / 1.8% / 2,500円相当の自社製品
<2689> / カワニシホールディングス / 1,679 / 30.0 / 1.8% / 18.9% / 5.3% / 1,000円相当クオカード
12月決算銘柄
コード / 銘柄名 / 株価（6/1） / 予想一株配当金（円） / 予想配当利回り / 第1四半期営業増益率 / 今期予想営業増益率（会社予想） / 最低投資単位（100株）の株主優待内容（概要）
<8885> / ラ・アトレ / 752 / 12.0 / 1.6% / 118.2% / 2.3% / 500円相当のクオカード
<3405> / クラレ / 1,672 / 42.0 / 2.5% / 51.9% / 0.8% / 自社オリジナルカレンダー
※Bloombergデータおよび会社公表データを用いてSBI証券が作成。上段は6月決算銘柄。下段は12月決算銘柄。予想配当利回りは同予想一株配当金をベースに計算されています。予想配当利回りは、中間配当を含む年間のすべての配当を受け取った場合の配当を基準に計算されています。「最低投資単位（100株）の株主優待内容」は最低投資単位を投資して権利を確定した場合の株主優待の内容について、その概要を記載したもので、株主優待内容のすべてを示しているとは限りません。投資単位や保有期間によって優待内容が異なるケースも多いので注意が必要です。正式な優待内容については各企業のWebページ等公式データをご確認ください。なお、データは2018/6/1（金）現在のものです。株主優待の内容や閲覧回数順等、その後に変化する場合もありますのでご注意ください。表2でご紹介する銘柄の権利付最終日は※印のキングジム[6/15（金）]を除き6/26（火）です。また、Lib Work（1431）の予想一株配当金は株式分割を考慮して再計算したものです。
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部
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