ジム・ロジャーズ特集
(画像=ZUU online)

2018年に公開された米人気映画『クレイジー・リッチ!』の舞台となり、「お金持ちの多い国」として認識されるようになったシンガポール。世界で最も著名な投資家であるジム・ロジャーズ氏が家族とともに永住する島嶼国家でもある。東京23区と同程度の約720平方キロメートルの狭い国土に564万人が住む同国は、実際に「超富裕層」が集まっている。

まず、2018年10月の国際通貨基金の統計では、人口1人当たりの国内総生産(GDP)が98,260米ドル(約1,100万円)と世界第3位。米富豪調査企業Wealth-Xが2017年12月に発表した「資産総額が3,000万米ドル(約33億7000万円)以上の超裕福層が最も多く住む都市」の番付では、シンガポールが「人口707人につき1人の超富裕層が居住する」として、堂々の4位に入っている。

なぜシンガポールは、ロジャーズ氏のような大富豪を惹きつけるのか。高い教育水準、行き届いた医療システム、高度で便利なテクノロジー社会のインフラ、公用語でもある英語が通じる環境、民族の多様性、清潔な街、おいしい食べ物、リゾート地への近さ、など魅力は尽きない。だが、世界中のお金持ちがシンガポールに集まるのは、同国が低税率を誇る世界3位のオフショア金融センター(ボストン・コンサルティング・グループ調べ、2018年)であることに加え、各種の富裕層優遇策を実施しているからだ。

ロジャーズ氏にシンガポールの魅力や現地体験での発言から、その裕福層へのアピールを確かめてみよう。(執筆=在米ジャーナリスト 岩田太郎)