新築より手ごろな価格の中古マンションを買うからといって、通勤の利便性まであきらめる必要はない。丸の内・大手町などビジネス街に近い東京駅からJR各線で30分以内、坪単価約200万円、値崩れしにくい「リセールバリューの高い」中古物件のある駅とは。

10年前の分譲価格より上がっているエリアがある

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(画像=picture cells/Shutterstock.com)

2006~2008年に分譲されたマンションに関して、2017年に中古流通事例のある物件の価格を比較していこう。データ元は東京カンテイの『中古マンションのリセールバリュー&賃料相場2017』だ。

10年前の坪(3.3平方メートル)単価が100万円で、現在の中古価格が120万円なら、リセールバリューは120%で、中古価格が90万円なら90%だ。

東京駅を通るJR山手線や都心部の地下鉄などでは、100%超のリセールバリューの高い駅が多いが、中古マンションとしては坪単価が高すぎる。いくらリセールバリューが高くても、物件価格が高すぎて手が出ないのでは意味がない。ここでは、中古流通坪単価200万円前後の駅を対象としてリセールバリューの高い駅を探り、3駅を取り上げてみよう。

坪単価140万円台で手に入る――海浜幕張駅

中古相場が安くて、リセールバリューが高い駅として真っ先に挙がるのがJR京葉線の海浜幕張駅。2018年12月現在の中古マンションの坪単価は140万3,000円。専有面積70平方メートルの中古マンションでも、約2,972万円で手に入る。

東京駅からは快速でちょうど30分。その距離感と価格帯で70平方メートルが買える場所はそう多くない。しかも、東京カンテイによるとリセールバリューは101.1%。10年前とほぼ同等の価格で売却できるわけだ。

周知のように海浜幕張駅は幕張新都心の玄関口であり、駅周辺にはオフィスビル、大型ホテルのほかアウトレットモールなどの商業施設もある。

幕張メッセや、千葉ロッテマリーンズの本拠地であるスタジアムもある。快速停車駅であり、房総方面向けの特急列車の停車駅にもなっていて、交通アクセスにも恵まれている。

意外に安い周辺の中古マンション 坪単価は190万円――JR川崎駅

次は、JR東海道線の快速アクティーで乗車時間18分の川崎駅。JR東海道線のほか京浜東北線があり、南武線の始発駅にもなっている。京急本線、京急大師線の京急川崎駅もある。

JR川崎には大きな駅ビルがあり、駅周辺には大規模な商業施設が並び、シンフォニーホールなどの文化施設も充実している。

川崎駅を最寄り駅とする中古マンションの坪単価は、190万2,000円と200万円を割っている。専有面積70平方メートルの中古マンションなら、約4,028万円だ。横浜市に入る東神奈川駅は234万8,000円で、横浜駅は296万6,000円と急激に高くなる。同じ川崎市でもJR横須賀線の新川崎駅は212万4,000円だから、川崎駅は穴場と言っていいだろう。

しかも、東京カンテイによるリセールバリューは106.8%で、中古マンションの資産価値を維持しやすいエリアとなっている。

人気急上昇中、リセールバリュー108.3%――北千住駅

北千住駅は上野東京ラインが走るようになって、常磐線が上野駅から東京駅までつながったことで、東京駅まで乗り換えなしで15分で行けるようになった。もともと、東京メトロの日比谷線、東武スカイツリーラインが乗り入れるなど交通アクセスに恵まれた場所だったのが、一段と便利になったのだ。

2017年には東京電機大学のキャンパスができたことなどによって若者が増え、街もこれまでの下町のイメージから、若者向けのおしゃれな街へと変わりつつある。

この北千住駅、10年前の分譲時の坪単価は183万7,000円だったのが、現在は199万円で取引きされていて、専有面積70平方メートルの中古マンションなら約4,215万円だ。リセールバリューは108.3%となっている。

最近では住みたい街ランキングでも上位に入ることが多く、今後も注目しておきたい駅の一つだ。

文・山下和之(住宅ジャーナリスト)/MONEY TIMES

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