(本記事は、前畑うしろ氏の著書『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』ぱる出版、2019年1月17日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
※本書では、2つのETF〈証券コード1570〉(以下、ETF1570)と〈証券コード1357〉(以下、ETF1357)の売買だけで稼ぐ方法を基本としています。
どちらも日経平均株価(以下、日経平均)に連動するETFで、ETF1570は日経平均が上昇すれば同じように上昇し、ETF1357は日経平均が上昇すれば株価が下落するETFとなっています。
10年後1億円を目指して 目標は高く持った方がいい
では、10年後、1億円まで増やすことは可能なのでしょうか。
正直、メチャクチャ難しいですが、宝くじで1億円当選するよりかは簡単だと断言できます。
要は、100万円からスタートした手元資金を毎年2倍に増やせばいいだけで、順調にいけば7年後には1億円を突破するのです。
7年後、1億円を手に入れ、贅沢はほどほどに抑え、欲を出さずにコツコツとETF投資を続ければ、35歳以上のコンビニ店員に限らず、一生安泰に暮らしていけるでしょう。
そんな最終目標を目指すのも夢があっていいじゃありませんか。
これまでどおりコンビニ店員を続けていても1億円プレーヤーにはなれません。毎日毎日、仕事に追われ、再就職活動もできないまま、ただ、時間だけが過ぎていき、人生を諦めかけている人もいるでしょう。
中には大きな夢を抱き、地道に努力をしながらチャンスを待っている人もいるはずです。
そんな人たちにもたとえ1%でも1億円を手に入れる夢を持っていただきたいのです。何事においても高い目標を掲げることはいいと言われています。
夜、寝る前に、鏡に映った自分に「○○になるぞ」と宣言し、朝、目覚めたあと鏡へと向かい、「○○になったぞ」と言い続ければ、願いが叶うということを聞いたことがあります。
一種の自己暗示ですが、何も考えず、ただ眠いからというだけでベッドや布団に入るよりかはやってみる価値はあるかもしれません。
実際、私もこの本を出す1年前から、寝る前には必ず「本を出すぞ」と鏡に向かって宣言し、起きてすぐ鏡に向かって「本を出したぞ」と言い続けていました。
そして出版が決まったあとは、「5万部達成するぞ」と言ってから眠り、起きた後は「5万部達成したぞ」と言ってから、コンビニへアルバイトに行っています。
有名人なら初版でも5万部達成することはあるでしょうが、無名の中年コンビニ店員がそんな大それた目標を持つなんて「ふざけるな」と言われるかもしれませんが、目標を持つことはだれにも迷惑をかけないので、勝手に楽しんでやっています。
あなたにも私と同じことをしろとまでは言いませんが、目標を持つことだけは忘れないでほしいのです。
「ETFで1億円手に入れるぞ」と言ってから眠り、起きて「ETFで1億円手に入れたぞ」と言い続ければ、叶うかもしれません。
いや、叶うと信じましょう。1億円を目指せば、1千万円、2千万円は通過点です。
しかし、1千万円あれば起業することもできます。あなたがこれまでの経験を生かしてコンビニのオーナーになることもできるのです。店舗を増やしていけばETF投資をしなくても生涯現役で暮らしていけるでしょう。
また、1億円稼いだらスパッと投資をやめ、半分の5000万円で生活をしながら残り半分の5000万円は元本割れしない国債を買ったり、あれほどバカにしていた低金利の定期預金に預けてもいいかもしれません。
いずれにせよ、贅沢さえしなければ残りの人生は悠々自適に暮らせるでしょう。そのためには、最低でも1億円は目標にしていただきたい金額なのです。
いまからETF投資で10年後10億円稼ぎましょうと言っても現実的ではありません。
1年目で1億円儲けられなかったら、そこでほとんどの人は諦めるでしょう。
ただし、1億円なら何とかいけそうな気もしない金額で、夢のある金額でもあるので、1億円を目指すのが一番いいと思うのです。
保険としての信用取引 絶対に損はしたくないあなたへ
株式投資をしていてよくあるのですが、株価が上昇して売った後、さらに上昇して儲けを少なくしてしまうことです。
そんなときは悔しい気持ちになりますが、たとえ1円でも儲けられたのなら、それはあなたの判断は間違っていなかったことになります。
とはいえ、売値よりも株価が上昇し続ければ電卓をはじき、仮定で儲けた金額の計算をしてしまいます。
そんなときのために、保険として信用取引を活用すればいいのです。もしあなたがこの先絶対に暴落があると確信して100万円全額を「清水の舞台から飛び降りる気持ち」でETF1357につぎ込んだとしましょう。
その後、予想どおり日経平均は下落、あなたが買ったETF1357の株価は当然上昇し、利益はわずかながらでもプラス状態になりました。
しかし、その先が予想できなくて、少しの利益でもいいから売るか、それとも本心は、もっと儲けるまで待ちたいが絶対に損はしたくはないのでどうするか迷ったとしましょう。
そこで登場するのが信用取引です。
株価がどちらに動くか迷ったときは、とりあえず信用取引を利用して100万円分のETF1570を買うのです。
そうすることでこれ以上、日経平均が上昇しても下落してもわずかな利益は確保しているので安心です。
もし、あなたの予想通り、日経平均が下がった場合、残念ではありますが、100万円分信用取引で買ったETF1570も下落するので、買わなければよかったことになります。
一方、日経平均が上がればETF1357は下がるので、損は絶対にしたくないあなたにとってはいい選択をしたことになります。
しかし、このままずっと持ち続けてもわずかな利益のまま推移するだけなので、いつかはどちらかを売らなければこれ以上の利益を上げることはできないのです。
それなら、いっそうのこと全株を寄付きか、終値で売り注文しておけばわずかな利益は確定します。
それはそれでいいのですが、そこからどちらに動くのかを予想して、利益が出た方のETFを数回に分けて売り、反転するまで待つという方法もできるのです。
とはいえ、これからETF投資を始める人には難しいかもしれないので、利益が上がった時に迷えば躊躇わずに売った方がいいでしょう。