(本記事は、前畑うしろ氏の著書『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』ぱる出版、2019年1月17日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

※本書では、2つのETF〈証券コード1570〉(以下、ETF1570)と〈証券コード1357〉(以下、ETF1357)の売買だけで稼ぐ方法を基本としています。

どちらも日経平均株価(以下、日経平均)に連動するETFで、ETF1570は日経平均が上昇すれば同じように上昇し、ETF1357は日経平均が上昇すれば株価が下落するETFとなっています。

ETFで年100万円稼ぐ…信用取引を活用すれば100万も夢ではない

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資
(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

ここ直近の日経平均の最安値は2017年の9月8日に付けた1万9239円です。

日経平均が下がると上昇するETFは1357で、日経平均が上がれば同じように上げるETFは1570ということはもうおわかりですよね。

そうすると、もしその時に日経平均は安すぎると感じてETF1570を2017年9月8日に安値の1万4700円で約100万円分68株買ったとしましょう。

その後、予想通り日経平均はぐんぐんと値を上げ、あなたが買っていたETF1570も当然、上昇しています。

翌月には2万1000円を軽く突破し、2万2000円も視野に入るほどの驚異的な上昇が起こっていました。

騰落レシオも過熱状態の120%を優に超え、このまま2万3000円2万4000円もあるのではないかと思わされるような暴騰が続きました。

そこで冷静に考えたあなたは、11月9日の日経平均の高値と同時にETF1570を全部売ったとします。

その日のETF1570の高値は2万1990円なので2ヵ月で50万円近くの利益をあげることができたのです。

そして次は日経平均が上昇すれば下がるETF1357を同じく11月9日の安値1226円で約100万円分815株、信用取引で買います。(信用取引については次章で詳しく説明します)

日経平均がこのまま上昇するにせよ、一端は調整で下落することを想定し、11月16日にETF1357がつけた1387円の高値で売却、13万円ほど利益を上げることができました。

すると今度は日経平均が下がれば同じように下げるETF1570を信用取引でその日の安値、1万9410円を約100万円分51株購入します。

翌年の1月23日、日経平均は約26年ぶりの高値2万4129円をつけました。

この異常なまでの上昇に信用取引で買っていたETF1570を全株売った場合、高値が2万3320円なので、約20万円利益をあげることができた計算になります。

この地点ですでに約80万円以上、ETF1357とETF1570の売買だけで儲けることができたのです。

ETF1570の高値イコールETF1357の安値ということになるので、1月23日にはETF1357が安値で買うことができたというわけです。

ETF1357を1135円で881株、約100万円分購入、あとは日経平均のチャートを見れば一目瞭然、2月6日の大暴落まで待ち、その日の高値1461円で売却すれば29万円近く儲けることができたのです。

2017年9月8日から2018年2月6日までの約5ヵ月で、ETF1357とETF1570のたった2つの銘柄で信用取引を活用すれば100万円以上利益を出すことができるのです。

もちろんこの利益からは手数料や税金が引かれるので実際はこの金額よりも少なくなりますが、さらに2月6日以降、2ヵ月近く乱高下した期間に参戦していれば、実質100万円以上の利益を生むことができたことになります。

これはあくまでも、ETF1357とETF1570を安値で買い、高値で売ったケースを想定して紹介したので、こんな神業のような売買はどんなに一流のトレーダーでもできませんが、これだけの期間で儲けることが不可能ではないということを知っていただきたかったので、あえて実際の株価を振り返りながら説明させていただきました。

近い将来、あなたがETF投資で、年100万円稼げるようになっているかもしれませんね。

1年間の売買スケジュールをたてる…自分の好きな月、嫌いな月で決めるのも面白い

あなたは日経平均株価連動型のETF1357とETF1570の2銘柄だけを買って、年100万円の利益を目指します。

何度も言いますが、日経平均が下落すれば上昇するETF1357と日経平均が上昇すれば同じように上昇するETF1570を買うタイミング、売るタイミングが生命線となるので、この波に上手く乗ることだけに集中しなければいけません。

そこで年2回もしくは3回の私が決めた大暴落(日経平均が800円以上下落)に備えることが重要になります。

騰落レシオ、日経平均の上値と下値、地政学リスク、政治、世界情勢などを今日から1年間予想してください。

例えば1年に2回800円以上の大暴落があると予想すれば、何月と何月に大暴落すると決めておくのです。

決め方はこう、世界情勢の雲行きが怪しくなり、1月には世界経済の先行き不安の影響によって日経平均の大暴落があると予想します。

2回目はその6ヵ月後に設定、今回は7月になります。

そしてあなたが決めた大暴落の月1月と7月の右横にそれぞれ大暴落と記入し、続けてその右横に80%と記します。

その3ヵ月後にあたる4月と10月の右横に大暴騰、その右横には120%と記入するのです。これで1年間の予想の半分は決定したことになります。

この80%と120%は何を意味するのか。

これは私がETF投資をするなかで最も重要な指標のひとつである騰落レシオのことなのです。

騰落レシオが判断基準の120%以上の過熱状態か80%以下の底値状態かで日経平均株に連動するETF1357とETF1570を売買するので、あなたが予想した暴落の月、1月と7月の右横に80%、その3ヵ月後に120%と記入したのです。

いくら何でも日経平均株価は2万5000円がピークと思えば騰落レシオ120%の横に25000円と記入、反対にいくら暴落が起きたとしても2万円を割り込むことはないだろうと思えば、騰落レシオ80%の横に20000円と記入するのです。

予想した暴落月と暴騰月の間、各2ヵ月にも、騰落レシオと日経平均の株価を同じように予想して記入し、その書いた紙をあなたの部屋に貼っておき、毎日見ながら予想通り株価が動いているのかチェックするといいでしょう。

もちろん、そんな簡単に予想していたように株価は動きませんが、ある程度の期間が過ぎれば何かしらの動きがあると警戒(特に暴落)する心の準備ができるので、試しにやってみてもいいのではないでしょうか。

そして現在の日経平均が下落から上昇した位置か、それとも上昇から下落した状態なのかを見極め、あなたが決めた上値か底値の位置に近づいていれば、毎日少しずつどちらかのETFを買えばいいのです。

ちなみに私は年2回の大暴落は2月と8月にやってくると予想しています。(翌年は変わっているかもしれませんが)

ですから、2月に日経平均が自分の設定した株価よりも高くて、騰落レシオも120%付近で推移していたならコツコツとETF1357を買って、暴落時に利益を上げる準備をするのです。

そして暴落した時に一気に売却して、日経平均が自分の設定した株価よりも低く、騰落レシオは80%付近ならば、今度は日経平均と同じように上昇するETF1570をコツコツと少額ずつ買うようにしています。

その後、日経平均が上昇したところで一気に売り、ここでも利益を上げられるようにするのです。

同様に8月にもこの方法を当てはめることができます。

ぜひ参考にしていただきあなたの株式市場年間予想スケジュールをたてましょう。

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資
前畑うしろ(まえはた・うしろ)
元信用組合職員で、現コンビニのアルバイトが、たったの2種類のETF投資(日経225オプションではない)を武器に稼いでいる。銀行マン時代の“プロの眼”とコンビニ店員の“アマチュアの眼”、欲張りは最大の敵をモットーに売買している。一騎駆けのような気ぜわしい投資よりもじっくりゆっくり増やしていく方法を得意としている。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます