(本記事は、前畑うしろ氏の著書『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』ぱる出版、2019年1月17日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

※本書では、2つのETF〈証券コード1570〉(以下、ETF1570)と〈証券コード1357〉(以下、ETF1357)の売買だけで稼ぐ方法を基本としています。

どちらも日経平均株価(以下、日経平均)に連動するETFで、ETF1570は日経平均が上昇すれば同じように上昇し、ETF1357は日経平均が上昇すれば株価が下落するETFとなっています。

いろんなデータを取らない…頭でっかちにならない

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資
(画像=pixfly/Shutterstock.com)

実を言うとこれは以前の私のことです。

株を始めた頃はいろんなデータを取りたがる傾向があります。

だれでも大切な資産を失いたくはありません。

書店に足を運んでは資産運用のコーナーにある本を立ち読みし、迷いながら2、3冊購入した経験のある人もたくさんいることでしょう。

買った本を夢中になって読み、企業のホームページから財務状況を確認したり、会社四季報を買ってはよくわからない項目をみたり、またはPER、PBRなど意味のない計算をしたりと、これまでにたくさんの投資家が無駄な時間を使ってきたと想像できます。

しかし、一見、無駄だと思えることを経験したからこそ今があるのです。

何事においても意味のないことはありません。やればやるほど知識として蓄積され経験として生かされるのです。

あなたがコンビニ店員をしているのも無駄ではなく意味があるのです。

ただし、ETF投資をするためにたくさんの知識は必要ありません。

専門の知識は追々勉強していけばいいことなので、初めから知識を詰め込み過ぎると訳が分からなくなり間違った投資をするのではないかと危惧するのです。

ですから最初はシンプルにスタートさせたほうがピュアな気持ちで投資ができると思います。

エコノミストはあてにしない…頭が良すぎるから外れるのです

失礼ですが、経済評論家や経営者の株価予想は外れることが少なくありません。

日本経済新聞の年初には一流企業のトップが今年の日経平均の株価を予想する一面があります。

1年後、ほとんどの予想が外れていることに私は当然のことだといつも思っています。

正直、ノストラダムスじゃあるまいし、だれが1年後の株価を当てることができるのでしょうか?

その背景には、東京オリンピック・パラリンピック関連の企業や外国人観光客に特化した企業の株は順調に上昇しているので、この先もしばらくは上昇することは誰でも予想できます。

しかし、世の中、何が起こるのかは誰も予想できないのです。

例えばテロ。いくら警備をしていても起こる可能性は十分にあるのです。特に私たちの国日本はテロに対しての警戒心が低いようにいつも感じています。

ここ数年の間に外国人観光客は一気に増え、テロ対策はしているとは思いますが追いついていないような気がしてままならないのです。

そんなテロ組織が日本を標的にして、多数の犠牲者が出ればたちまち株価は暴落するでしょう。

また、地震などの自然災害が東京を直撃すれば経済も中断し、株の取引もストップ、市場が再開されたときは大暴落からスタートするでしょう。

そんな最悪なことをいつも考えておかなければいけないのです。

経済だけを見ている人はそれが専門なので経済の予想をするのは当然なのですが、私たち素人は他のリスクを考えながら株を購入しないといけないのです。

エコノミストの人たちが予想を外す最大の理由が「頭が良すぎる」からです。

緻密なデータを作成し、海外の経済事情や政治に至るまで何でも知っているので頭の中の情報量が私たち一般人の何十倍いや、何百倍と詰まっているのです。

そのため膨大なデータばかりを頼り、予期せぬ事件や事故、未曽有の災害が起きた時の対策をとっていないために対処ができなくなるのです。

天気予報もそのうちのひとつで今では世界中の気象情報が衛星やコンピューターを通じて瞬時に入ってきます。

しかし、昨今では地球温暖化の影響なのかゲリラ豪雨があらゆるところで多発しています。

これほど情報が発達していても予報が外れることはよくあります。

別に気象予報士さんを責めているつもりはありませんが、ベテランの漁師さんは雲の動きや夕焼けをみて翌日の天気が予想できると聞いたことがあります。

経済についても少なからずこのような勘は当てはまるのではないかと思うのです。

ですからあまりエコノミストといわれている頭のいい人たちの予想は鵜呑みにせず、軽く聞き流す程度がちょうどいいくらいではないでしょうか。

長期投資はしない…予言者じゃないのだから

長期投資はお金持ちがすることだと思っています。それはお金にゆとりがあるからです。

投資資金が100万円もしくはそれ以下の金額でETF投資を始めるあなたは1年で1.3倍から2倍の資産に増やすことを目標としているので、5年や10年といった長期投資には向いてはいません。

まして、5年後、10年後のことなど予言者じゃあるまいし、だれが株価の予想なんてできるのでしょうか?

長期投資をすること自体は否定しませんが、長期投資は数銘柄を数百万円単位で買い、配当や株主優待を得ることを主な目的とした人たちが5年、10年後に株価が上がっていればラッキーというのが私個人の感想です。

しかし、一流企業とはいえ不正が発覚すれば5年後10年後に暴落していることも考えられるのです。

そうなってしまえばこれまで投資してきたお金と時間は無駄となり、結局、塩漬け状態になり、さらに5年後か10年後に上がっているかどうかもわからないままずっと持ち続けるしか方法はありません。

ですから、あなたは年数回やってくる暴落に備えて毎日簡単な情報を収集し、コツコツとETF1357を買えばいいのです。

そしてあなたが設定した日経平均の下値に近づけば今度はETF1570をコツコツと買い始め、日経平均が上昇し、騰落レシオも120%に迫ってきたころで2、3回に分けて売れば日経平均の上下で利益を上げることができます。

それを年数回行うだけなので、1~3ヵ月、長くても6ヵ月以内には決済することになります。

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資
前畑うしろ(まえはた・うしろ)
元信用組合職員で、現コンビニのアルバイトが、たったの2種類のETF投資(日経225オプションではない)を武器に稼いでいる。銀行マン時代の“プロの眼”とコンビニ店員の“アマチュアの眼”、欲張りは最大の敵をモットーに売買している。一騎駆けのような気ぜわしい投資よりもじっくりゆっくり増やしていく方法を得意としている。

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